2022年度 光と物質基礎論 I   Fundamentals of Light and Matter I

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開講元
電気電子コース
担当教員名
梶川 浩太郎  飯野 裕明  伊藤 治彦 
授業形態
講義    (ライブ型)
メディア利用科目
曜日・時限(講義室)
月3-4  木3-4  
クラス
-
科目コード
EEE.D431
単位数
2
開講年度
2022年度
開講クォーター
1Q
シラバス更新日
2022年3月28日
講義資料更新日
-
使用言語
英語
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講義の概要とねらい

電気電子や応用物理学関連の研究をおこなうにあたり,共通の基礎として身につけておく必要のある,今日の情報処理を支える光科学の基礎部分を習得します。
講義は,電磁波と物質(梶川)、量子光学基礎(伊藤)、光電変換デバイス(飯野)、で構成されます。電磁波と物質(梶川)では、物質中の光の伝搬、屈折率、偏光、光の透過や反射、を講義し、光ファイバや光導波路の原理について学びます。また、物質の性質を調べるために不可欠な各種の分光学の基本について講義を行います。量子光学基礎(伊藤)では、電磁場の量子化を行い、演算子法によって光子数状態やコヒーレント状態の性質を調べます。また、物質の基本構成要素である原子のエネルギー構造と軌道角運動量・スピンの関係を学び、光学遷移の選択則を導きます。さらに、レーザ発振の基礎についても触れます。光電変換デバイス(飯野)では、無機半導体および有機半導体における光キャリア生成や発光の原理を講義し、発光・受光デバイスの基礎を学びます。
この講義は、電気電子系電気電子コースおよび電気電子系ライフエンジニアリングコースの学生を想定していますが、光や光物性に興味がある他のコースの学生の受講も歓迎します。また、第2クオーターに開講される光と物質基礎論IIa、光と物質基礎論IIb、光と物質基礎論IIcを受講予定の場合には、本講義を受講しておくことが望ましい。

到達目標

電磁波と物質(梶川)では、光の伝搬、屈折率、偏光、光の反射と透過、光導波路や光ファイバについて、理解できていることを到達目標とします。また、物質の性質を調べるために用いる吸収や反射分光、ラマン散乱、光電子分光について理解できることを目標とします。量子光学基礎(伊藤)では、生成・消滅演算子を用いた光子の代数計算法を習得し、光の量子状態を解析できるようになることを目標とします。また、角運動量によってラベルされた原子のエネルギー準位間で起こる光学遷移のルールを習得し、光ポンピングなどの光学手法の理解に供することを目指します。さらに、レーザ発振の仕組みを理解することを目標とします。光電変換デバイス(飯野)では、無機半導体と有機半導体における光キャリア生成機構の違いを理解することを到達目標とします。

キーワード

屈折率、光導波路、光の反射と透過、分光分析、量子光学、レーザ、半導体、発光ダイオード、フォトダイオード

学生が身につける力(ディグリー・ポリシー)

専門力 教養力 コミュニケーション力 展開力(探究力又は設定力) 展開力(実践力又は解決力)

授業の進め方

講義の後に小テストを実施したり、演習を実施したりします。

授業計画・課題

  授業計画 課題
第1回 光の伝搬、屈折率、偏光 屈折率の起源を理解できる。偏光を理解できる。
第2回 位相速度と群速度、光の反射と透過 群速度について、説明できる。反射と透過率の計算ができる。
第3回 全反射と光導波路 全反射について理解し、導波路について理解できる。
第4回 光ファイバ 光ファイバの原理とモードについて理解できる。
第5回 赤外吸収、可視吸収分光 各種の分光の原理が理解できる。
第6回 ラマン散乱、光電子分光 各種の分光の原理が理解できる。
第7回 光の量子化 電磁場の量子化と場の演算子の導出
第8回 光子数状態とコヒーレント状態 生成・消滅演算子を用いた代数計算と光の量子状態の性質の理解
第9回 原子分光 原子のエネルギー構造と角運動量の関係の導出
第10回 光学遷移 スピン-軌道相互作用によるエネルギー準位分裂と光の吸収・放出に関する選択則の導出
第11回 誘導放出、反転分布 レーザの基礎となる誘導放出と反転分布の理解
第12回 レーザ発振 レーザ発振の原理の理解
第13回 発光デバイス 発光デバイスの動作原理の理解
第14回 受光デバイス 光キャリア生成時のエキシトンの理解

授業時間外学修(予習・復習等)

学修効果を上げるため,教科書や配布資料等の該当箇所を参照し,「毎授業」授業内容に関する予習と復習(課題含む)をそれぞれ概ね100分を目安に行うこと。

教科書

ありません。尚、量子光学基礎(伊藤)では、講義ノートを配布します。

参考書、講義資料等

G. R. Fowles: Introduction to Modern Optics, Dover ISBN0-486-65967-7
C. Kittel: Introduction to Solid State Physics (either 6, 7, 8th edition), (8th ed. ISBN-10: 0471111813)

成績評価の基準及び方法

光学基礎および光物性基礎について,その理解度を評価する。
配点は,およそ期末試験(70%),演習(30%)とする。
期末試験はオンラインではなく対面で実施予定。

関連する科目

  • EEE.D531 : 光と物質基礎論Ⅱa
  • EEE.D532 : 光と物質基礎論Ⅱb
  • EEE.D533 : 光と物質基礎論Ⅱc

履修の条件(知識・技能・履修済科目等)

ありません

その他

授業は遠隔(ライブ型)で行います。必要に応じて授業の一部に収録した動画を利用します。

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