学際領域分野での研究が益々発展していく現代社会において、これからの理工学系研究者は、幅広い知識をもって分野横断的な見識で課題を捉えていく能力が必要とされている。本講義では、ライフエンジニアリングコースにおいて先端ライフエンジニアとして、学際的分野の専門的知識を修得することを目的とする。特に先端ライフエンジニアリング第二においては、化学・生命科学の分野に関して学際的な最先端研究を学ぶ。
化学および生命科学の分野では、それぞれの分野の知見と技術が融合することによって、新しい技術開発や新規学際領域の開拓に繋がる。本講義では、化学と生命科学の分野が、どのように融合し、その結果どのような技術革新へと発展していくのか、具体的な事例を挙げながら専門的知識を習得し、その理解を深めることをねらいとする。
本講義を履修することにより次の能力を修得する。
1) がん発生のメカニズムを理解し、その治療戦略ならびに課題を説明できる。
2) 超解像顕微鏡ならびに原子力顕微鏡の原理を理解する。
3) 光合成生物の環境応答を分子レベルで理解する。
4) タンパク質センサーの原理を理解する。
5) 環境とエネルギーに関わる触媒を理解する。
ライフエンジニアリング、がんと微小環境、化学療法、超解像度顕微鏡、原子力顕微鏡、タンパク質センサー、光合成、触媒化学
✔ 専門力 | 教養力 | コミュニケーション力 | ✔ 展開力(探究力又は設定力) | ✔ 展開力(実践力又は解決力) |
毎回の講義の前半で講義内容に関する分野を概説し、今回の講義のねらいを説明する。講義の後半では、より専門的な内容を説明し、出された課題に対して英語でレポートを提出する。各回の課題を良く読み、その分野の予習を行うこと。
授業計画 | 課題 | |
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第1回 | ガイダンス | 本講義の目的ならびに到達目標を理解しする。 |
第2回 | がんの生物学と攻略法について(近藤) | 組織としてのがんを理解し、その検出や治療における課題を理解できるようになる。 |
第3回 | がんの化学療法(中村) | がん化学療法の開発現状を理解し、今後の課題ならびに戦略について知識を深める。 |
第4回 | 超解像顕微鏡を使って生体試料を観察する:原理から実測まで(酒井) | 超解像顕微鏡の原理を理解するとともに生体試料への応用例についての知識を深める。 |
第5回 | タンパク質でセンサーをつくる(上田) | 抗体,酵素などのタンパク質からなるバイオセンサーについて説明出来るようになる。 |
第6回 | 光合成生物の環境応答(今村) | 多様な環境応答を分子レベルで理解し、細胞の仕組みについての知識を深める。 |
第7回 | 環境とエネルギーを支える触媒(馬場) | 環境やエネルギーに関わる触媒とその作用について知識を深める |
第8回 | 原子力顕微鏡を用いた物性の評価による細胞表面の観察(森) | 原子間力顕微鏡の原理を概説することで高さイメージングのみならず様々な力学計測で物性を明らかにすることができることを理解する。 |
教科書は特に指定しない。
必要に応じて、講義資料を配布する
毎回の講義で出される課題に関するレポートにより評価する。
履修条件は特に設けないが,関連する科目を履修していることが望ましい。