従来の社会システムの境界を超えた問題、たとえば高齢者の生活の質の維持の問題、大災害発生時における広域避難のような問題は学際的な知見の統合なくしては、問題に対する接近方法すらわからない。本講義ではこのような問題を解決する糸口になりそうだが、未だ市場にでていないプロダクトのプロトタイプを取り上げ、これをどのように使用するとどのようなサービスが考えられ、そのサービスを実現するためには、どのようなビジネスと社会的なシステムが必要なのかについての考察を展開する。授業の最終的なアウトプットは、プロダクトを使った実現可能なサービスの提案をグループワークとして行うこととする。取り上げる問題とプロダクトは年度ごとに担当教員が協議して決定する。
高齢者の生活の質の維持や災害時の広域避難などの複合的な問題に対し、工学的なデバイスによる解決を考える時、社会システム、人間の能力、デバイスの性能の間の相互関係に対する考慮が欠かせない。本講義では年ごとにテーマを設定し、工学的デバイスのプロトタイプを社会においてなんらかの問題を解決するサービスとするまでの過程を講義と演習を通じて学ぶ。これにより、問題を複眼的視点から判断できる俯瞰力と複雑な問題を容易化し、解決する能力を持ち、イノベーションを牽引できる人材養成を目指す。
やっかいで複雑な問題、社会システム・人間の能力・デバイスの性能の間の相互関係、俯瞰力、イノベーション
✔ 専門力 | 教養力 | ✔ コミュニケーション力 | ✔ 展開力(探究力又は設定力) | 展開力(実践力又は解決力) |
その年のテーマに応じたサービスシステムの中で使われるプロトタイプ(まだ市場にでていない製品)がコースの冒頭で紹介され、学生はそのプロトタイプを使ってどのようなサービスが可能か、サービスを実現するための課題は何かについて専門家と潜在的ユーザーからの情報提供を受けながら議論し、その製品が市場を獲得するためにどのようなサービスデザインが可能かについてグループで話し合う。最終課題としては、改良型プロトタイプを含めたサービスデザインのアイデアをグループで作成して提出する。
授業計画 | 課題 | |
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第1回 | その年のテーマに応じて担当教員が指定する。 | 担当教員の指定による。 |
特になし
コミュニケーションデザイン 西條美紀 くろしお出版
各回の授業において提出された課題(30%)、グループ発表(30%)、最終レポート(40%)により成績評価を行う。
特になし。