コミュニケーションデザインは、なんのために(目的:G)誰にどうなってほしいのか、誰と一緒にどうなりたいのかを考え(計画:P)、その目的と計画にあった方法を考えて行い(実践:I)、目的が達成されたかを見極めて(観察:O)、適切なフィードバックを返していく問題解決のサイクル(GPIOサイクル)を構築して問題解決の糸口を見つけ出すデザインである。つまり、誰もが行っている日常のコミュニケーションではなく、目的を共有し、それを達成することが必要だが、それが困難である場合のコミュニケーションの設計方法のことである。講義では、事例として、太陽光発電の普及に関する地域住民・関係機関との対話、虚弱な高齢者の移動支援、技術者のジレンマなどをあげながら、受講者とともに、それぞれの案件で生じたコミュニケーションの問題に対して、どのように乗り越えていけばよいのかを考える。あわせて、自分たちが直面する問題についてコミュニケーションデザインを行い、発表して議論を深めていく。
・日常のコミュニケーションは本来設計できないものであるということを知る
・コミュニケーションデザインとはなにかがわかる
・公共的な問題の解決についてコミュニケーションデザインの役割を知る
・GPIOサイクルの導入によって何が明らかになるのかがわかる
・自分たちの問題についてコミュニケーションデザインを行い、問題解決の道筋を見出す
科学技術コミュニケーション、エネルギー、高齢者、移動体、ハラスメント、コミュニケーションデザイン
専門力 | 教養力 | ✔ コミュニケーション力 | ✔ 展開力(探究力又は設定力) | ✔ 展開力(実践力又は解決力) |
各授業は前時間のレビュー(学生からの質問・コメントに答える)、講義、グループワークで構成される。クラスでの議論に積極的に参加するため教科書を読んでくることを推奨する。
授業計画 | 課題 | |
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第1回 | 導入 コミュニケーションデザイン概念の導出 | コミュニケーションとはなにか、コミュニケーションデザインとはなにかについて理解する。 |
第2回 | GPIOサイクルによる問題抽出ー反対派がいる傍聴のデザイン | |
第3回 | 聞き手のデザインー誰に聞かせるのか | オーディエンスデザインのふたつのモデルの違いがわかる。 |
第4回 | 話し手のデザインーハラスメントを遠ざける言語技術 | |
第5回 | コミュニケーションの共同構築モデル | |
第6回 | 対話と説得の違いー九州電力やらせメール事件を例に | |
第7回 | ゼロレベルのコミュニケーションデザインー太陽光発電の普及を例に | |
第8回 | 目的のデザインー地域包括ケア意見交換会のデザイン | |
第9回 | 計画のデザインー裁判員制度における評議デザイン(1) | |
第10回 | 実践のデザインー裁判員制度における評議デザイン(2) | |
第11回 | 考察のデザインー地域包括ケアにおける他職種連携 | |
第12回 | コミュニケーションをデザインするーデザインのための7段階 | GPIOサイクル生成の7段階法を理解する。 |
第13回 | コミュニケーションをデザインするー私の場合 発表&FB(1) | 7段階法で自分の問題を可視化し、発表してクラスで議論する。 |
第14回 | コミュニケーションをデザインするー私の場合 発表&FB(2) | 7段階法で自分の問題を可視化し、発表してクラスで議論する。 |
第15回 | コミュニケーションをデザインするー私の場合 発表&FB(3) | 7段階法で自分の問題を可視化し、発表してクラスで議論する。 |
「コミュニケーションデザイン」 西條美紀著 くろしお出版
講義で指示する
グループワークと発表ならびに宿題(50%)
最終レポート(50%)
特になし