2021年度 プロセスシステム工学   Process Systems Engineering

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開講元
応用化学コース
担当教員名
松本 秀行 
授業形態
講義     
メディア利用科目
曜日・時限(講義室)
火5-6  金3-4  
クラス
-
科目コード
CAP.C412
単位数
2
開講年度
2021年度
開講クォーター
1Q
シラバス更新日
2021年4月22日
講義資料更新日
-
使用言語
英語
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講義の概要とねらい

 プロセスシステム工学とは、化学物質の供給ネットワークの創造と運用において実行される意思決定を合理的に行うための方法論を追求する工学である。本講義は、プロセスシステム工学における三領域(プロセスシステム解析、プロセスシステム合成、プロセスシステム運用)を概観しつつ、領域全般の基盤となるシステム手法(モデリング、シミュレーション、最適化)の基礎的知識の教授と、その化学工学的応用手法の解説を行う。
 近年、環境・安全・健康の改善を意識しながら経済的発展も維持し続けることのできる持続可能社会を構築するために、化学工学に解決を求める対象問題の多様化、複雑化がますます進行している。本講義のねらいは、多種多様なシステム手法とプロセスシステムの解析、合成、運用への応用手法を修得することである。また、講義で学んだ手法を実際の問題に応用することで、複雑な問題の解決へのシステムズアプローチの素養を身につけてほしい。

到達目標

本講義を履修することで、以下の能力を修得する。
1) 化学プロセスシステムの解析、合成および運用におけるシステム思考の概念を理解しており、モデリング・シミュレーションに関わる数理的手法を扱うことができる。
2)評価や意思決定の際に必要不可欠な最適化問題の代表的な数値解法を扱うことができる。
3)上記の数理的手法を、自ら、化学工学分野で直面している問題の解決に適用することができる。

キーワード

プロセスシステム、モデリング、シミュレーション、最適化、プロセス解析・合成

学生が身につける力(ディグリー・ポリシー)

専門力 教養力 コミュニケーション力 展開力(探究力又は設定力) 展開力(実践力又は解決力)

授業の進め方

第11回までの最適化とモデリング・シミュレーションの基礎についての講義においては、講義の後半でその日の教授内容に関する演習問題に取り組んでもらいます。第12回以降の化学プロセスの最適化についての講義においては、課題に取り組んでもらいます。各回の学習目標をよく読み、予習・復習で行って下さい。

授業計画・課題

  授業計画 課題
第1回 システムとプロセスシステム プロセスシステムの定義とシステム思考の基本概念を説明できる。
第2回 最適化問題の特徴と目的関数の定式化 プロセスシステムの解析、合成、運用における最適化問題の特徴と、問題を解く手順の概略説明ができる。
第3回 線形/非線形回帰モデルの構築とパラメータ推定 プロセスシステムの解析、合成、運用における線形/非線形回帰モデルの適用方法を理解し、回帰モデルのパラメータを推定することができる。
第4回 二次計画問題の基礎 二次の目的関数を用いた最適化問題の特徴を理解し、その特徴を数理的に解析することができる。
第5回 制約なし最適化問題の解法:一次元探索 ニュートン法を用いてプロセスシステムの解析、合成、運用における最適化問題を解くことができる。
第6回 制約なし多変数最適化問題の解法 勾配法を用いてプロセスシステムの解析、合成、運用における最適化問題を解くことができる。
第7回 線形計画法と化学工学的応用 線形計画法を用いてプロセスシステムの解析、合成、運用における最適化問題を解くことができる。
第8回 連続/離散変数を伴う大域的最適化問題の解法 遺伝的アルゴリズムなどの経験的探索手法の特徴を理解し、それら手法の化学工学的応用の素養を身につける。
第9回 マルチスケールモデリング・シミュレーション 複雑系の構成論的システム思考を理解し、プロセスシステムの解析と合成におけるマルチスケールモデリング・シミュレーションの適用手法を説明できる。
第10回 ニューラルネットワークモデリングと機械学習 経験的ネットワークモデルの特徴を理解し、ニューラルネットワークの構造ならびに機械学習に関する数理的手法を説明できる。
第11回 離散事象システムのモデリング 離散事象システムの特徴を理解し、ペトリネットモデルの表現方法とその適用手法を説明できる。
第12回 化学プロセスの最適化(I): 熱移動とエネルギー変換 熱移動とエネルギー変換に関する最適化問題を解くことができる。
第13回 化学プロセスの最適化(II): 分離プロセス 分離プロセスに関する最適化問題を解くことができる。
第14回 化学プロセスの最適化(III): 化学反応器の設計と操作 化学反応器の設計と操作に関する最適化問題を解くことができる。

授業時間外学修(予習・復習等)

学修効果を上げるため,教科書や配布資料等の該当箇所を参照し,「毎授業」授業内容に関する予習と復習(課題含む)をそれぞれ概ね100分を目安に行うこと。

教科書

黒田千秋編集『システム解析』朝倉書店,ISBN-13:978-4254256048

参考書、講義資料等

赤木新介著『システム工学』共立出版,ISBN-13:978-4320071339

成績評価の基準及び方法

定期的な課題への提出レポートの採点結果と、講義中に行う演習の採点結果を併せて成績を評価する。

関連する科目

  • CAP.I407 : 化学工学概論(基礎)
  • CAP.C424 : 反応プロセス工学特論
  • CAP.C423 : 数値流体力学
  • CAP.I417 : 化学工学概論(単位操作)
  • CAP.C421 : エネルギー操作特論
  • CAP.C441 : 移動現象操作
  • CAP.C443 : 反応分離プロセス特論

履修の条件(知識・技能・履修済科目等)

化学工学の知識があること

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