2019年度 乱流制御論   Advanced course of turbulent flow and control

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開講元
エネルギーコース
担当教員名
店橋 護  志村 祐康 
授業形態
講義     
メディア利用科目
曜日・時限(講義室)
火5-6(I124,G111)  
クラス
-
科目コード
ENR.K430
単位数
1
開講年度
2019年度
開講クォーター
1Q
シラバス更新日
2019年4月5日
講義資料更新日
-
使用言語
英語
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講義の概要とねらい

 本講義では、流体物理学のうち、乱流、乱流輸送及び乱流燃焼を取り上げ、その基礎と応用について理解するとともに、最新の受動的及び能動的制御技術を身に付けます。
 乱流は、熱・物質輸送を促進する一方で摩擦抵抗や騒音等を増大させるため、各種流体機械,船舶,航空機等におけるエネルギーの有効利用には乱流の適切な制御が重要です。講義を通じて、乱流、乱流熱・物質輸送及び乱流燃焼の基礎と、それらに基づく受動的及び能動的乱流制御法を習得し,さらに熱・物質輸送や燃焼への知的乱流制御技術の展開の考え方を学んでください。

到達目標

 本講義を履修することによって次のように,流体機器における省エネルギー技術を開発する上で、重要となる乱流、乱流熱・物質輸送及び乱流燃焼の基礎とそれらの制御について理解し、実際の工学問題に最新の制御技術を応用できる能力を習得する。
1)理想的な場における基本的な乱流理論を説明できる
2)計算流体力学シミュレーションを用いる際に適切なモデルを選択することができる
3)実際の工学問題に流体制御技術を応用することができる

キーワード

乱流,乱流微細構造,RANS,LES,境界層の剥離,抵抗,圧力,摩擦,管内流,航空機,燃焼,エネルギー,環境

学生が身につける力(ディグリー・ポリシー)

専門力 教養力 コミュニケーション力 展開力(探究力又は設定力) 展開力(実践力又は解決力)

授業の進め方

授業は講義形式で行われ,第3回および第6回の終了後,演習課題が課されます。各回の課題を予習・復習して下さい。

授業計画・課題

  授業計画 課題
第1回 省エネルギー技術と乱流制御 省エネルギー技術が環境問題に与える影響と乱流制御の必要性の理解
第2回 乱流の統計的性質 理想的な乱流場における乱流の統計的性質,自己相似性,レイノルズ応力,乱流エネルギー,乱流散逸率の理解
第3回 乱流の間欠性と乱流理論 間欠性と間欠係数,二点相関,乱流スケール,乱流構造の理解
第4回 乱流モデル レイノルズ平均モデル,Large eddy simulaton,エネルギー輸送,代表的な乱流モデルの理解
第5回 受動的乱流制御 制御法の分類,乱流混合層制御,乱流境界層制御,物体表面形状の最適化,乱流特性スケールに基づく制御の理解
第6回 能動的乱流制御 代表的なセンサーとアクチュエーター,大規模渦構造の検出と制御,低周波数制御の理解
第7回 乱流熱・物質輸送制御 壁面近傍の乱流構造と制御,摩擦抵抗低減と熱物質輸送のトレードオフの理解
第8回 乱流燃焼制御 乱流火炎構造,燃焼不安定性,代表的な燃焼制御法の恩恵と課題の理解

教科書

必要に応じて資料を配布

参考書、講義資料等

木田 重雄、柳瀬 真一郎、「乱流力学」、 朝倉書店、 (1999)
笠木伸英、川村洋、長野靖尚、宮内敏雄、 「乱流工学ハンドブック」、朝倉書店、 (2009)

成績評価の基準及び方法

乱流の基礎物理、乱流制御、乱流熱・物質輸送制御及び乱流燃焼制御に対する理解度を評価する。演習・宿題(30%)と期末試験(70%)によって成績評価する。

関連する科目

  • 燃焼物理学
  • 熱流体先端計測
  • ふく射輸送学
  • 先端エネルギー技術
  • マルチスケール熱流動科学

履修の条件(知識・技能・履修済科目等)

熱力学(機械)(MEC.E201.R),伝熱学(MEC.E311.A),エネルギー変換工学(MEC.E331.E),基礎流体力学(MEC.F201.R),実在流体力学(MEC.F211.A),応用流体力学(MEC.F331.E),偏微分方程式(MEC.B213.A),ベクトル解析(MEC.B214.A),確率・統計(MEC.B231.E), 信号処理基礎(MEC.B331.E), モデリングと制御(MEC.I312.A)を履修していること,または同等の知識があることが望ましい。

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