2023年度 ロボット機構学   Robot Kinematics

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開講元
機械系
担当教員名
武田 行生  鈴森 康一  菅原 雄介 
授業形態
講義    (対面型)
メディア利用科目
曜日・時限(講義室)
火1-4(S2-203(S222))  
クラス
-
科目コード
MEC.I211
単位数
2
開講年度
2023年度
開講クォーター
3Q
シラバス更新日
2023年9月14日
講義資料更新日
-
使用言語
日本語
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講義の概要とねらい

ロボットは、回転や直進などの関節を複数連結し、必要とされる柔軟かつ高精度な運動を実現している。本科目では,このようなロボットの運動を実現するための基礎科目として、次の点を中心に講義する。
1. ロボットの仕組み(機構)の構造およびその自由度
2. ロボットの機構の運動(変位・速度・加速度)の解析法とその応用
3. ロボットの機構の力の解析法とその応用
4. ロボットの機構構造の総合法(設計法)とその応用
5. 基本的な機構の種類とその特性
6. 駆動部に用いられている減速機等の歯車機構の構造とその減速比の計算方法
上記の内容は、実物を触って考え理解する方法、直感的な理解を得るために図を描いて考え理解する方法、式を用いて理論的・解析的に考え理解する方法からなる。これにより,ロボットの設計における概念設計,基本設計(構造の設計),既存のロボットの改善のための基本的な運動特性の把握およびロボット機構の特性を考慮した軌道設計の基本的な考え方と知識が身に着くことになる.

到達目標

本講義を履修することにより,次の能力を修得する.
(1)ロボットの構造を自由度の観点から理解する能力
(2)ロボットの変位,速度等の基本的特性を把握するための基本的手法の活用能力
(3)ロボットの減速機に使われている歯車列の構造の理解と減速比の計算能力
(4)ロボットの設計,特性把握のための基本的な工学的センス
この科目は,学修目標の
4.【展開力】(探究力又は設定力)整理及び分析できる力
6.機械工学の発展的専門学力
7.専門知識を活用して新たな課題解決と創造的提案を行う能力
の修得に対応する.

キーワード

ロボット工学,機構学,リンク機構,歯車機構,自由度解析,変位解析,速度解析,加速度解析,力解析,構造の総合,量の総合

学生が身につける力(ディグリー・ポリシー)

専門力 教養力 コミュニケーション力 展開力(探究力又は設定力) 展開力(実践力又は解決力)

授業の進め方

学生には教科書あるいは補足資料により予習することを要求する.そのうえで,授業では,具体的な事例を取り上げ,図式,数式およびモデルを用いた説明により,学習内容の説明を行う.各章において,演習問題によりその理解度を確認する.

授業計画・課題

  授業計画 課題
第1回 ロボットの構成,機構と運動 ロボットの構成とそれらの役割の概要を理解した上で,その機構と運動を理解する.
第2回 機構の種類と特徴(開ループ機構) ロボットの機構として用いられている開ループ機構の種類と特徴を理解する
第3回 機構の種類と特徴(閉ループ機構) ロボットの機構として用いられている閉ループ機構の種類と特徴を理解する
第4回 機構の自由度(機構の自由度の式と自由度の解析) 機構の自由度を計算するための基本的考え方とそのための計算式を理解し,それを用いて具体的な機構の自由度の解析を行う
第5回 機構の自由度(数および構造の総合) 機構に求められる自由度に適合する機構の構造を得る(総合する)ための基本的考え方を理解し,これに基づき具体的な機構の構造の総合を行う
第6回 平面機構の運動学 平面運動を行う剛体および機構について,変位・速度・加速度の解析を行うための基礎的な内容を学ぶ
第7回 平面機構の変位・速度および加速度解析(開ループ機構) 開ループのロボット機構について,変位,速度および加速度解析の基本的考え方とその方法を理解する
第8回 平面機構の変位・速度および加速度解析(閉ループ機構) 閉ループのロボット機構について,変位,速度および加速度解析の基本的考え方とその方法を理解する
第9回 歯車機構の運動学とロボット用減速機の速度解析 歯車機構の運動学の基礎について理解する.
第10回 歯車機構の運動学とロボット用減速機の速度解析 歯車減速機の速度解析の方法および減速比に対応する歯数の決定方法を理解する.
第11回 平面機構の力解析(静力学) 平面機構の静力学解析の方法について理解する.
第12回 平面機構の力解析(静力学) 平面機構の静力学解析の方法について理解する.
第13回 平面機構の力解析(動力学) 平面機構の動力学解析の方法について理解する.
第14回 平面機構の力解析(精密機構の設計原理) 対偶の大きさや摩擦等を考慮した運動機構の力学解析等について学び,精密機構の設計原理の基礎について理解する.

授業時間外学修(予習・復習等)

学修効果を上げるため,教科書や配布資料等の該当箇所を参照し,「毎授業」授業内容に関する予習と復習(課題含む)をそれぞれ概ね100分を目安に行うこと。

教科書

JSME テキストシリーズ「機構学」, ISBN:978-4-888980167-5

参考書、講義資料等

参考資料は,適宜,T2SCHOLAにアップする.

成績評価の基準及び方法

授業におけるレポート(40%)と期末試験(60%)の成績を総合して評価します.
なお,期末試験は対面で行う予定ですが,期末試験が実施できない場合には,試験に代えて講義内容に対するレポート課題を課して評価する.

関連する科目

  • MEC.Q201 : 機械システム学
  • MEC.Q301 : 機械システムデザイン
  • MEC.H201 : 機械要素及び機械製図
  • MEC.H211 : 機械要素設計
  • MEC.I333 : ロボットの力学と制御
  • MEC.I334 : ロボット技術
  • MEC.H532 : ロボット総合論

履修の条件(知識・技能・履修済科目等)

事前に身に着けているべき知識や技術はない

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