現在進められている自動車開発における最新技術全般を,その開発に携わった技術者・研究者により機械工学の基礎を踏まえながら以下の内容について解説する:
1. 自動車産業を取り巻く状況
2. 自動車を構成する要素技術
3. 自動車に関連する諸案件
1つの完成品である自動車の開発について,さまざまな領域における課題を踏まえながら解説する.
本講義を履修することによって,自動車技術全般に関する課題について理解が深まり,将来の自動車のあり方について考える素地を養うことを到達目標とする.さらに,個々の技術水準を理解することを目標とする.具体的には,
1.自動車産業を取り巻く課題を理解する
2.自動車を構成する個別の技術要素を理解する
3.自動車開発に必要な様々な課題を理解する
さらにこの科目は、学習目標の
6.機械工学の発展的専門学力
7.専門知識を活用して新たな課題解決と創造的提案を行う能力
の習得に対応する。
✔ 該当する | 実務経験と講義内容との関連(又は実践的教育内容) |
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本講義は,自動車開発に関わる最新技術の実務経験を持つ担当教員がその実務経験を活かし,基礎から社会実装に向けた課題解決まで一貫した教育を行う. |
自動車、要素技術、社会課題
✔ 専門力 | 教養力 | コミュニケーション力 | 展開力(探究力又は設定力) | ✔ 展開力(実践力又は解決力) |
講義を中心として、レポートなどの課題をこなす。
履修者は講義室で受講し、非常勤講師は一部の回では講義室で、残りの回ではブレンド型で実施する。ブレンド型の内訳として、履修者は講義室で受講し、非常勤講師はライブ型でオンライン授業し、学内の授業担当教員が講義室でインタラクティブな環境の対応をする。
質疑応答は原則、授業の最後にまとめて行うので、各自、質問事項のメモ取りを推奨する。また、毎回の授業中にT2SCHOLAの機能を利用する場合があるので、利用環境を用意して講義に臨むこと。
授業計画 | 課題 | |
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第1回 | 「自動車概論」 | 自動車を取り巻く環境変化と課題について学ぶ。 |
第2回 | 「パワートレイン技術の現状と将来」 | 将来CO2削減と自動車用パワートレインの果たすべき役割について学ぶ。 |
第3回 | 「エンジン技術の現状と将来」 | エンジン技術の現状と新燃料を踏まえた将来を学ぶ。 |
第4回 | 「EV・HEV技術の現状と将来」1/2 | 電動車両全般の動向、ハイブリッド車の多様なシステム構成や動作メカニズムと特徴を学ぶ。 |
第5回 | 「EV・HEV技術の現状と将来」2/2 | EV及びモータやバッテリなど電動車両の主要ユニットのメカニズムと動向を学ぶ。 |
第6回 | 「自動運転技術の現状と将来」 | 自動運転技術をめぐる世界の動向と課題及びマツダの取り組みについて学ぶ。 |
第7回 | 「軽量化技術の現状と将来」 | 自動車の軽量化技術の現状と将来を学ぶ。 |
第8回 | 「空気力学の現状と将来」 | 自動車の空力技術の現状と将来を学ぶ。 |
第9回 | 「先進安全技術の現状と将来」1/2 | 交通事故死傷者ゼロに向けた自動車自身の知能化技術についての現状と将来を学ぶ。 |
第10回 | 「先進安全技術の現状と将来」2/2 | ITS技術、コネクティビティ技術の現状と将来を学ぶ。 |
第11回 | 「自動車と感性工学」 | 脳科学を用いて人間の感性に対応できる自動車技術の現状と将来を学ぶ。 |
第12回 | 「自動車と人間工学」 | 人の操作と自動車の挙動が一体となる人馬一体を目指す人間中心技術の現状と将来を学ぶ。 |
第13回 | 「MBD開発の現状と将来」1/2 | SKYACTIV技術開発の肝であるMBDの考え方と具体的事例について学ぶ。 |
第14回 | 「MBD開発の現状と将来」2/2 | 自動車の将来を見た際にMBDが日本の物造りや地方再生の一つの鍵であることを学ぶ。 |
学修効果を上げるため,関連する書籍、資料や講義配布資料等の該当箇所を参照し,「毎授業」授業内容に関する予習と復習(課題含む)をそれぞれ概ね100分を目安に行うこと。
必要に応じて資料をT2SCHOLAにアップロードする.
特になし。
講義の中での課題(40%)および最終レポート(60%)により評価する。
自動車技術に関する知識は直接の自動車産業のみならず広範な職業の現場で必要となることから、多くの学生の履修を期待する。希望進路に関わらず、興味深い講義となろう。なお、300番台科目であることに鑑みて履修指導を行う場合がある。