本講義では,線形システムおよび非線形システムの解析に用いられる常微分方程式を扱う。1階常微分方程式,高階常微分方程式,フーリエ級数等をテーマとし,常微分方程式の基本解のはたらきについても解説する。座学と演習により,本講義では,工学分野の線形システムおよび非線形システムに広く応用できる数学的手法を提供する。
本講義では,機械工学に関連する諸問題を解決し,機械工学を発展させるために必要な数学の基礎知識として,常微分方程式を取り扱うための基礎能力を身につける。微分演算子等の数学的手法により,本講義で学んだ数学的知識を用いて実際的な問題を解決する醍醐味を味わってほしい。
本講義を履修することによって次の能力を修得する。
1) 線形常微分方程式および非線形常微分方程式について説明できる。
2) ロンスキー行列式を用いて基本解の性質を説明できる。
3) 高階常微分方程式の解法を説明できる。
4) 一般解の基本的性質を説明できる。
5) 微分演算子を応用することができる。
この科目は,学修目標の
4.【展開力】(探究力又は設定力)整理及び分析できる力
6. 機械工学の発展的専門学力
7. 専門知識を活用して新たな課題解決と創造的提案を行う能力
の修得に対応する。
常微分方程式,基本解,微分演算子,フーリエ級数,非線形常微分方程式,摂動解法
✔ 専門力 | 教養力 | コミュニケーション力 | 展開力(探究力又は設定力) | ✔ 展開力(実践力又は解決力) |
✔ 基盤的専門力と論理的展開力の最初の一歩となる |
講義の最初に前回出題した演習問題の解説を行い,講義中に講義した事項に関する演習問題を出題する。講義の準備のため,授業計画をよく読み,次回の内容を把握しておくこと。課題は,予習,復習のため事前に行っておくこと。
授業計画 | 課題 | |
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第1回 | はじめに;1階線形常微分方程式 | 基本解,特殊解および一般解の理解 |
第2回 | 高階線形常微分方程式 | 一般解およびロンスキー行列式の理解 |
第3回 | 高階線形常微分方程式 | 微分演算子および定数変化法の理解 |
第4回 | 連立線形常微分方程式 | 固有値の理解 |
第5回 | 級数解法 | 級数解法の理解 |
第6回 | 非線形常微分方程式,直交関数系 | 摂動解法およびベッセル関数の理解 |
第7回 | フーリエ級数 | フーリエ級数の理解 |
学修効果を上げるため,教科書や配布資料等の該当箇所を参照し,「毎授業」授業内容に関する予習と復習(課題含む)をそれぞれ概ね100分を目安に行うこと。
矢野健太郎,石原繁:『基礎解析学』,裳華房,ISBN: 978-4-7853-1079-0
竹之内脩:『微分方程式とその応用』,サイエンス社,ISBN: 4-7819-1060-2
特になし
1階常微分方程式,高階常微分方程式,フーリエ級数等とそれらの応用に関する理解度を評価する。期末試験65%,演習35%。
微分積分学の知識を有すること。