本講義では,標準的な流体力学で学ぶ外力が作用しない単相のニュートン流体の流れとしては取り扱うことができない流体の流れとして,機能性流体,混相流,電磁流体の考え方を理解し,様々な工学分野で応用することができるための基礎を提供する。
一般に流体の流れは,電場や磁場により流体の挙動が変化する機能性流体,電磁流体,液相と気相など相の異なる流体が存在する混相流のように,標準的な流体力学で学ぶ単相のニュートン流体の外力が作用しない流れとして取り扱えるものばかりではなく,様々な工学分野の問題を取り扱えるようになるためには,知識を広げておく必要がある。本講義では,様々な流体現象の中から,機能性流体(非ニュートン流体を含む),混相流,電磁流体を取り上げ,その取り扱いの基礎から応用までの知識を提供する。
本講義を履修することによって次の能力を修得する。
1) 機能性流体の概念,特性,および応用例について説明できる。
2) 混相流の概念,特性,および応用について説明できる。
3) 電磁流体の概念,特性,および応用について説明できる。
この科目は,学修目標の
6. 機械工学の発展的専門学力
7. 専門知識を活用して新たな課題解決と創造的提案を行う能力
の修得に対応する。
機能性流体,混相流,電磁流体,流体力学
✔ 専門力 | 教養力 | コミュニケーション力 | 展開力(探究力又は設定力) | ✔ 展開力(実践力又は解決力) |
毎回,機能性流体,混相流,および電磁流体の概念,特性,および応用の知識を提供する。
授業計画 | 課題 | |
---|---|---|
第1回 | 非ニュートン流体,機能性流体(電気粘性流体,磁気粘性流体等) | 非ニュートン流体,機能性流体の理解 |
第2回 | 電場駆動流(電気浸透流、電気泳動、誘電泳動),機能性流体に関する応用事例 | 電場駆動流,機能性流体の応用例の理解 |
第3回 | 気液二相流,沸騰二相流,蒸気流 | 気液二相流,沸騰二相流,および蒸気流の理解 |
第4回 | 熱交換器に関連した凝縮流 | 熱交換器に関連した凝縮流の理解 |
第5回 | 混相流に関する応用事例 | 混相流に関する応用例の理解 |
第6回 | 電磁流体の基礎 | 電磁流体の理解 |
第7回 | 電磁流体に関する応用事例 | 電磁流体の応用の理解 |
学修効果を上げるため,教科書や配布資料等の該当箇所を参照し,「毎授業」授業内容に関する予習と復習(課題含む)をそれぞれ概ね100分を目安に行うこと。
指定なし
指定なし
機能性流体,混相流,電磁流体の基本的な考え方に関する理解度を,演習(50%)およびレポート(50%)で評価する。
基本的な流体力学の知識を有すること。