宇宙工学、宇宙システム全般の基本項目として、
1)人工衛星の運動と制御の基礎となる軌道理論
2)ロケットの基礎理論
について講義します。
宇宙工学,宇宙環境,座標の考え方の基礎を身に付けた上で,ロケットや人工衛星などの宇宙空間での運動の数学的取り扱いを理解することを目標とします.具体的には
1)2体問題,ケプラー軌道,軌道6要素,軌道の位置と速度,軌道変更,ホーマン軌道,軌道面内・面外への移行,周回軌道の相対運動,ランデブー,摂動方程式、GPS基礎
2)ロケットの基礎、システム、帰還飛行
などを取得します。
この科目は、学習目標の
1.【専門力】基盤的な専門力
5.【展開力】(実践力又は解決力)基本的な問題を解決できる力
の修得に対応する。
✔ 該当する | 実務経験と講義内容との関連(又は実践的教育内容) |
---|---|
本講義は、JAXAでの科学観測衛星や深宇宙探査機等およびMHIでのロケットに関する研究開発の実務経験を持つ教育担当教員や非常勤講師がその実務経験を活かし、宇宙工学についての基礎的な教育を行う |
2体問題,ケプラー軌道,軌道6要素,軌道の位置と速度,軌道変更,ホーマン軌道,軌道面内・面外への移行,周回軌道の相対運動,ランデブー,摂動方程式,ロケットの基礎,ロケットシステム,帰還飛行
✔ 専門力 | 教養力 | コミュニケーション力 | 展開力(探究力又は設定力) | ✔ 展開力(実践力又は解決力) |
理解を深めるために必要に応じて演習および宿題(レポート提出)を提示して、3名の教員が交互に講義を行う。
授業計画 | 課題 | |
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第1回 | 序論 | 宇宙環境,座標系 |
第2回 | 2体問題と保存量 | ケプラー軌道 |
第3回 | 軌道要素 | 軌道6要素 |
第4回 | 軌道の位置と速度 | 軌道上の宇宙機の位置と速度 |
第5回 | 相対運動の軌道 | Hill方程式,ランデブー |
第6回 | 軌道面内への移行 | ホーマン軌道 |
第7回 | 軌道面外への移行 | 2インパルス軌道移行,3インパルス軌道移行 |
第8回 | ランデブー | 軌道移行とランデブーの基礎 |
第9回 | 軌道の摂動 | 摂動方程式 |
第10回 | 軌道計画 | 軌道設計への応用,地上軌跡 |
第11回 | ロケットの基礎 | 推進原理、ノズル理論と推進薬特性、機体サイジング |
第12回 | ロケットのシステム | ロケットの飛行計画、システムと主要サブシステム、設計計算例 |
第13回 | 帰還飛行 | 圧縮性流体の基礎、帰還飛行の課題、設計計算例 |
第14回 | GPSの基礎 | GPSの測位原理 |
学修効果を上げるため,教科書や配布資料等の該当箇所を参照し,「毎授業」授業内容に関する予習と復習(課題含む)をそれぞれ概ね100分を目安に行うこと。
狼、冨田、中須賀、松永、宇宙ステーション入門 第2版補訂版、東京大学出版、2014
その他、必要な資料は配布する。
冨田、宇宙システム入門、東京大学出版、1993
岩崎、的川、図説 宇宙工学、日経印刷、2010
半揚、惑星探査機の軌道計算入門、日本評論社、2017
Kaplan, Modern Spacecraft Dynamics & Control, Wiley, 1976.
Chobotov (ed.), Orbital Mechanics, 2nd Ed., AIAA, 1996.
D.A.Valldo, Fundamentals of Astrodynamics and Applications, McGraw-Hill
V.R.Bond and M.C.Allman, Modern Astrodynamics, Princeton Univ Press, 1996.
各回のレポート課題ならびに期末試験で評価します.評価比率は期末試験約60%,演習とレポート約40%とする.
力学,ベクトル解析,微分・積分を十分に取得していることが要求される.