本講義では油圧ジャッキの強度設計と製図を通して,機械設計と製図の基礎について講義する.講義する主な項目は次のとおりである.
1. 機械のモデル化
2. 強度設計,規格に基づいた設計
3. 公差,表面粗さの決定
4. 適切な材料の選定
5. 製図の基礎(部品図,組立図)
1. 機械の分解等の作業を通してそのシステムを理解し,機械をモデル化できる.
2. 各機械要素について,関連規格,強度,公差,表面粗さ,適切な材料を考えた設計ができる.
3. 3D-CADを用いて基本的な機械製図ができる.組立図を描ける.
この科目は,学修目標の
4. 【展開力】(探究力又は設定力)整理及び分析できる力
6. 機械工学の発展的専門学力
7. 専門知識を活用して新たな課題解決と創造的提案を行う能力
の修得に対応する.
機械設計,機械製図,強度設計,機械要素,CAD
✔ 専門力 | 教養力 | コミュニケーション力 | 展開力(探究力又は設定力) | ✔ 展開力(実践力又は解決力) |
簡単な講義と実習という形式で授業をすすめる。実習時間を確保するため,各回の学習目標をよく読み,配布テキストを参照して事前に予習を行うこと。テキストはPDFでダウンロードするのでパソコン,タブレットを持参することが望ましい。
授業計画 | 課題 | |
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第1回 | 設計対象となる機械の説明 機械の分解と機械要素の調査 | 油圧ジャッキを分解して,部品の種類と点数を調べる |
第2回 | 仕組みの説明 機械のモデル化 | 油圧ジャッキのシステムを理解し,油圧ジャッキをモデル化する |
第3回 | 設計条件の設定(仕様),設計計算 | 要求事項により,最大荷重,最大揚程などの仕様を決定し,仕様を満足する機械の構造と機構を考える |
第4回 | 機械要素の設計法,設計計算と機械製図 | 機械要素の設計法を修得する.各機械要素について設計計算と機械製図を行う. |
第5回 | 材料の選定法,設計計算と機械製図 | 適切な材料の選定法を修得する.各機械要素について設計計算と機械製図を行う. |
第6回 | 設計書の作成,機械製図図面の作成 | 設計書を作成し,組み立て図と一部の部品についての製図を開始する |
第7回 | 機械製図図面の完成 | 組み立て図と部品図を完成させる.設計書,組み立て図,部品図を見直し,必要に応じて改善する. |
学修効果を上げるため,教科書や配布資料等の該当箇所を参照し,「毎授業」授業内容に関する予習と復習(課題含む)をそれぞれ本学の学修規程で定められた時間を目安に行う。
OCWiにテキストおよび補助資料をアップロードする
吉本成香他 著,機械設計~機械の要素とシステムの設計~,オーム社(2013) ISBN 9784274069345
全べての授業に出席し,全ての課題を提出することが単位取得のための前提条件である.モデル化および計算書(70%),図面(30%)
機械要素及び機械製図(MEC.H201.R),機械要素設計(MEC.H211.A),材料力学(MEC.C201.R)を履修していること,または同等の知識があること。
3D CAD を使用するので各自CADの利用できるPCを用意すること。授業ではInventorを用いる。