本講義では,弾性体における応力とひずみの関係,二次元弾性論,棒のねじりと板の曲げへの応用,異方性材料の取り扱い方,弾塑性問題の考え方,弾塑性問題の曲げ,ねじり,厚肉円筒への応用を扱う.
金属材料に代表される均質等方性材料および繊維強化プラスチックに代表される異方性材料の弾性変形と弾塑性変形を解析的に取り扱う方法を身に着けてほしい.
本講義を履修することによって次の能力を修得する。
1)機械と構造物の強度と変形に関する基礎的な考え方と解析的に取り扱うための基礎知識
2)機械設計の基本である、均質等方性材料および異方性材料の弾性変形問題、さらに弾性変形から塑性変形への移行を力学的に取り扱う方法
2次元弾性論,応力のつり合い方程式,ひずみの適合条件,フックの法則,応力関数,弾塑性問題,複合材料
✔ 専門力 | 教養力 | コミュニケーション力 | 展開力(探究力又は設定力) | ✔ 展開力(実践力又は解決力) |
講義の後半で,その日の教授内容に関する演習問題に取り組んでもらうことがあります。各回の学習目標をよく読み,課題を予習・復習で行って下さい。
授業計画 | 課題 | |
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第1回 | 応力とひずみ(応力の定義/成分/変換,主応力、つり合い方程式、ひずみの定義) | 応力の定義,応力の成分の現し方,応力の変換方法の理解,主応力,応力のつり合い方程式の導出,ひずみの定義確認 |
第2回 | 応力とひずみ(ひずみの変換/適合条件,フックの法則,極座標表示,サンブナンの原理,境界条件) | ひずみの変換方法およびフックの法則の理解,ひずみの適合条件の導出 教科書22ページから29ページの精読と理解 |
第3回 | 2次元弾性論(応力関数,厚肉円筒問題) | 応力関数の導出,圧力容器内の応力分布の導出 |
第4回 | 2次元弾性論(応力集中),軸のねじり | 円孔周りの応力分布の導出 教科書66ページから82ページの精読と理解 |
第5回 | 平板の曲げ,熱応力 | 教科書84ページから98ページの精読と理解 教科書102ページから106ページの精読と理解 |
第6回 | 異方性材料,複合材料 | 複合則,異方性材料の応力-ひずみ関係および応力の変換,積層理論の理解 複合材料の適用例を学ぶ |
第7回 | 弾塑性問題(降伏条件,梁と棒の残留応力) | トレスカおよびミーゼスの降伏条件の理解 梁と棒に生じる残留応力の理解 |
第8回 | 弾塑性問題(厚肉円筒の弾塑性変形) | 厚肉円筒に対する弾塑性問題の理解 |
小林英男,轟章著 『固体の弾塑性力学』 数理工学社,ISBN978-4-901683-51-7
特になし
応力とひずみ,二次元弾性論に関する計算法及びそれらの応用に関して理解度を評価する。期末試験で成績を評価する。
材料力学(MEC.C201.R)を履修していること,または同等の知識があること。