2018年度 ベクトル解析 B   Vector Analysis B

文字サイズ 

アップデートお知らせメールへ登録 お気に入り講義リストに追加
開講元
機械系
担当教員名
長谷川 純  山﨑 敬久  笹部 崇  店橋 護 
授業形態
講義     
メディア利用科目
曜日・時限(講義室)
火7-8(I123)  
クラス
B
科目コード
MEC.B214
単位数
1
開講年度
2018年度
開講クォーター
2Q
シラバス更新日
2018年5月14日
講義資料更新日
-
使用言語
日本語
アクセスランキング
media

講義の概要とねらい

本講義では,理工系専門科目(力学,弾性体力学,流体力学,電磁気学など)を学ぶ上で必要不可欠なベクトル解析について,その基礎から応用例までを扱う.ベクトルの代数演算,ベクトルの微分(多変数関数の微分),ベクトルによる曲線や曲面の計量,スカラー場の勾配,ベクトル場の発散および回転,座標変換とベクトルおよびテンソルの関係,ベクトル場の積分定理とその応用などについて幅広くカバーする.
現代において,ベクトル解析は単なる応用数学の一部ではなく,解析学の最も重要な部分であると見なされている.ベクトル解析は,1変数の微積分の多変数への一般化であり,微積分と線形代数に立脚する強力な解析的手法を科学者および技術者に提供している.したがって,ベクトル解析を理解することは,学部の応用数学のカリキュラムにおける一つの到達点である.講義では,ベクトル解析の公式の単なる証明にとどまらず,流れ場や電磁場などへの実際の適用例を挙げながら,その物理的意味を解説する.これまで断片的に学んできたベクトルについてより体系的に学ぶ機会として,また,連続体力学,流体力学,電磁気学などの専門科目の学修に向けた導入として,本講義を役立てて欲しい.

到達目標

本講義を履修することにより次の能力を習得する.
1) ベクトルの基本的な代数演算ができる.
2) ベクトルの微分について理解し,質点の運動や物体の回転の計算に応用できる.
3) ベクトルによる曲線や曲面の計量について理解し,計算ができる.
4) スカラー場の勾配,ベクトル場の発散・回転について理解し,計算ができる.
5) ベクトル場の積分定理(ガウスの定理,ストークスの定理など)を用いて,応用問題を解くことができる.

キーワード

ベクトル代数,ベクトルの微分,曲線・曲面の計量,ベクトルの積分,座標変換,テンソル,ガウスの定理,ストークスの定理,直交曲線座標

学生が身につける力(ディグリー・ポリシー)

専門力 教養力 コミュニケーション力 展開力(探究力又は設定力) 展開力(実践力又は解決力)

授業の進め方

毎回の講義の始めに,前回の演習問題の解答を解説する.また,講義の最後で,その日の講義内容に関する演習問題を解いてもらう.各回の講義内容について事前に確認し,教科書により予習・復習をすること.

授業計画・課題

  授業計画 課題
第1回 ベクトルの基本的な性質 〜 単位ベクトル,ベクトルの成分,スカラー積,ベクトル積,スカラー3重積,ベクトル3重積,座標変換 ベクトルの代数公式を覚え,基本的な演算ができる.
第2回 ベクトルの微分 〜 速度ベクトル,加速度ベクトル,運動方程式,微分演算,回転操作 ベクトルの微分公式を理解し,質点の運動や物体の回転について計算できる.
第3回 曲線 〜 平面曲線,空間曲線,接線ベクトル,法線ベクトル,曲率,ねじれ率 ベクトルによる曲線の計量を理解し,曲率やねじれ率を計算できる.
第4回 曲面 〜 曲面の表現,距離・面積・法線,曲面上の曲線,主曲率 ベクトルによる曲面の計量を理解し,表面積や曲率を計算できる.
第5回 ベクトルの場Ⅰ 〜 スカラー場の勾配,ベクトル場の発散,連続の式,ラプラシアン スカラー場の勾配とベクトル場の発散の計算方法と物理的意味を理解する.
第6回 ベクトルの場Ⅱ 〜 ベクトル場の回転,座標変換とスカラーとベクトル,テンソル ベクトル場の回転,座標変換とスカラー・ベクトルの関係,テンソルの役割を理解する.
第7回 ベクトル場の積分定理Ⅰ 〜 線積分,ガウスの定理,静電力と万有引力,ポアソンの方程式 ベクトルの線積分,ガウスの定理を理解し,力学や電磁気学の問題に応用できる.
第8回 ベクトル場の積分定理Ⅱ,直交曲線座標 〜 グリーンの定理,ストークスの定理,円筒座標系と球座標系 グリーンの定理,ストークスの定理を理解する.円筒座標系や球座標系における勾配,発散,回転を計算できる.

教科書

戸田盛和 『ベクトル解析』 岩波書店 ISBN4-00-007773-2.

参考書、講義資料等

H.P. スウ 『ベクトル解析』 森北出版株式会社 ISBN978-4-627-93020-9.
清水勇二 『基礎と応用 ベクトル解析』 サイエンス社 ISBN4-7819-1133-1.

成績評価の基準及び方法

ベクトルの代数演算,微分・積分,物理学への応用について,その理解度を評価する.
配点は,期末試験(50%),演習(50%)

関連する科目

  • LAS.M101 : 微分積分学第一・演習
  • LAS.M105 : 微分積分学第二
  • LAS.M107 : 微分積分学演習第二
  • LAS.M102 : 線形代数学第一・演習
  • LAS.M106 : 線形代数学第二
  • LAS.M108 : 線形代数学演習第二
  • MCS.T301 : ベクトル解析と関数解析

履修の条件(知識・技能・履修済科目等)

微分積分学第一・第二,線形代数学第一・第二を履修していること.または同等の知識を有すること.

このページのトップへ