人工衛星モデルの設計・製作・打上実験を通じて,厳しい制約条件,激烈な打上環境に耐え,ミニマムサクセスを必ず達成するためのシステム工学およびプロジェクトマネジメントの方法を習得することを目標とする。また,外部審査を含む各種審査を通過し,米国で行われる国際ロケット打ち上げ実験においてミッションを成功させることを最終目標とする.衛星開発の基礎知識を学ぶと共に,チーム内で効率的な共同・分担作業を通じてリーダーシップやフォロワーシップというチームワーク力の向上を図る。また、ロケット打上グループや他の参加者との調整・交渉、現地報告会等を通じて、多様な文化背景を持つ人々に対して、自分の考えを伝える能力、相手を理解する能力、共同で物事を実施する能力を養う。
本講義を履修することにより,以下を修得する.
1) 衛星開発に必要な宇宙工学の基本的な常識・知識を身に着ける.
2) プロジェクトマネジメントの基礎を身に着け,プロジェクトの企画から達成に導くプロセスについて理解し,実行できるようになる.
3) リーダーシップ・フォロワーシップといったチームワーク力を身に着ける
4) 他者・他グループとの交渉を進め,相手を理解し自分の考えを伝える能力を向上させる.
宇宙工学,衛星設計・開発,プロジェクトマネジメント
✔ 専門力 | 教養力 | ✔ コミュニケーション力 | ✔ 展開力(探究力又は設定力) | ✔ 展開力(実践力又は解決力) |
CANSATと呼ばれるジュース缶またはミルク缶サイズの人工衛星モデルの設計・製作・打ち上げ実験を行う.講義の範囲外ではあるが,受講者が希望し、外部審査に通過することにより,9月に米国で開催されるロケット打上イベントでのミッション成功を最終目標とし,要求される実証実験(気球より放出)および外部NPO法人による国内審査(複数回)をクリアするべく作業を進める.基本的に、10人程度を定員とし、設計・製作作業を進める。定期的に開催する講義において、進捗報告、ディスカッション、環境試験、審査会等を実施する他、外部の審査会や合同気球実験等へ参加する。
授業計画 | 課題 | |
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第1回 | ガイダンス | プロジェクトの方針を立てる. |
第2回 | ミッション設計1 | ミッションの概要についてまとめ,進捗を発表する. |
第3回 | ミッション設計2 | ミッションの詳細についてまとめ,進捗を発表する. |
第4回 | ミッションデザイン審査会(MDR) | 完成したミッションプランに対して,教員および上級生の審査を受け,十分な説明を行う. |
第5回 | 機体設計・基礎試験1 | 設定したミッションを達成する為の機体の基礎設計およびそれに必要な基礎試験について進捗報告しディスカッションする. |
第6回 | 機体設計・基礎試験2 | 設定したミッションを達成する為の機構の基礎設計およびそれに必要な基礎試験について進捗報告しディスカッションする. |
第7回 | 基本設計審査会(PDR) | 基礎設計について,教員及び上級生の審査を受け,十分な説明を行う. |
第8回 | 詳細機体設計・基礎試験 | PDRでのディスカッションを基に,機体の再設計・詳細設計を進め,進捗報告およびディスカッションを行う. |
第9回 | 詳細設計審査会(CDR) | 打上機体の詳細設計について,教員及び上級生の審査を受け,十分な説明を行う. |
第10回 | エンジニアリングモデル製作・機能試験・環境試験1 | 打上機体のエンジニアリングモデルの製作及び必要な試験について進捗報告しディスカッションする. |
第11回 | エンジニアリングモデル製作・機能試験・環境試験2 | 打上機体のエンジニアリングモデルの製作及び必要な試験について進捗報告しディスカッションする. |
第12回 | フライトモデル製作・機能試験・環境試験1 | エンジニアリングモデルをベースに,フライトモデルの製作・試験を行い,その結果について進捗報告及びディスカッションを行う. |
第13回 | フライトモデル製作・機能試験・環境試験2 | フライトモデルの製作・試験について進捗報告及びディスカッションを行う. |
第14回 | 気球フライト試験 | 完成したフライトモデルを気球より投下する実験を行い,設定したミッション目標を達成する. |
第15回 | 完成報告会 | プロジェクトの成果についてまとめ,これを発表する. |
配布資料
配布資料・その他講義中に適宜紹介する
設計・製作・ミッション遂行状況,グループへの貢献度,個人評価,レポートを総合的に評価する。
宇宙工学基礎を履修済み・または同等の知識を有すること.
実習が主となるため、定員以下になるまで、受講初期に、面接、レポート、過去の成績等で選抜する。
議論は原則日本語で行う。
原則、開発費等は受講者の自己負担。講義の範囲外であるが、受講者が希望し、外部審査に合格すれば、米国ネバダ砂漠で実施しているロケット打ち上げ実験に参加することも可能であり、その支援を行う。但し、ここでも旅費等は各自負担。