2016年度 ロボット機構学 B   Robot Kinematics

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開講元
機械系
担当教員名
鈴森 康一 
授業形態
講義     
メディア利用科目
曜日・時限(講義室)
火1-4(I124)  
クラス
B
科目コード
MEC.I211
単位数
2
開講年度
2016年度
開講クォーター
3Q
シラバス更新日
2016年1月11日
講義資料更新日
-
使用言語
日本語
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講義の概要とねらい

ロボットは、回転や直進などの関節を複数連結し、必要とされる柔軟かつ高精度な運動を実現している。本科目では,このようなロボットの運動を実現するための、ロボットの仕組み(機構)と運動の性質を調べるための解析法および総合法(設計法)を学ぶ。
また、具体的に用いられている基本的な機構の種類とその特性を知る。さらに、駆動部に用いられている減速機等の歯車機構の構造とその減速比の計算方法などについても学ぶ。
そのアプローチは、実物を触って考え理解する方法、直感的な理解を得るために図を描いて考え理解する方法、式を用いて理論的・解析的に考え理解する方法からなる。これにより,ロボットの設計における概念設計,基本設計(構造の設計),既存のロボットの改善のための基本的な運動特性の把握およびロボット機構の特性を考慮した軌道設計の基本的な考え方と知識が身に着くことになる.

到達目標

本講義を履修することにより,次の能力を修得する.
(1)ロボットの構造を自由度の観点から理解する能力
(2)ロボットの変位,速度等の基本的特性を把握するための基本的手法の活用能力
(3)ロボットの減速機に使われている歯車列の構造の理解と減速比の計算能力
(4)ロボットの設計,特性把握のための基本的な工学的センス

キーワード

ロボット工学,機構学,リンク機構,歯車機構,変位解析,速度解析,自由度,構造の総合,特性評価,量の総合

学生が身につける力(ディグリー・ポリシー)

専門力 教養力 コミュニケーション力 展開力(探究力又は設定力) 展開力(実践力又は解決力)

授業の進め方

学生には教科書あるいは補足資料により予習することを要求する.そのうえで,授業では,具体的な事例を取り上げ,図式,数式およびモデルを用いた説明により,学習内容の説明を行う.毎回の授業の最後には,演習問題によりその理解度を確認する.

授業計画・課題

  授業計画 課題
第1回 ロボット機構学の基礎 機構学の基礎概念(対偶,自由度,等)を理解する
第2回 平面リンク機構の基礎 代表的な平面リンクロボットの種類と特徴について理解する.
第3回 平面リンク機構の数式解析 平面リンク機構の数式解析法を理解する.
第4回 平面リンク機構の数値解析と図式解析 平面リンク機構の数式解析と図式解析を理解する.
第5回 平面リンク機構の力学解析 仮想仕事の原理を多自由度系に適用し,平面リンク機構の力学解析について学ぶ.
第6回 歯車機構 歯車機構の基礎を理解する.
第7回 ロボット減速機 代表的な減速機の種類と特徴を学ぶ.
第8回 ロボット機構の総合 ロボット機構の総合について例題を通して学ぶ.
第9回 ロボットマニピュレータ機構 代表的なロボットマニピュレータの機構について学ぶ.
第10回 移動ロボット機構 代表的な移動ロボットの機構について学ぶ.
第11回 ロボットの運動解析 同次変換行列を用いたロボットの運動解析について,平面ロボット機構を例に学ぶ.
第12回 ヤコビ行列を用いたロボットの解析 ヤコビ行列を用いたロボット解析の手法を理解する.
第13回 ロボットの運動解析 12回,13回の講義で学んだ解析手法を3次元のロボット機構解析に適用する.
第14回 最新のロボット機構の研究開発 最新のロボット機構の研究開発事例を学ぶ.
第15回 ロボットと生物 ロボット機構学の知見から,ロボットと生き物の構造,動作原理を理解する.

教科書

鈴森康一: ロボット機構学,コロナ社,2004

参考書、講義資料等

鈴森康一: ロボットはなぜ生き物に似てしまうのか,講談社,2012

成績評価の基準及び方法

授業中の演習,期末試験,レポートの成績を総合して評価する

関連する科目

  • MEC.Q201 : 機械システム学
  • MEC.Q301 : 機械システムデザイン
  • MEC.H201 : 機械要素及び機械製図
  • MEC.H211 : 機械要素設計
  • MEC.I333 : ロボットの力学と制御
  • MEC.I334 : ロボット技術
  • MEC.H532 : ロボット総合論

履修の条件(知識・技能・履修済科目等)

事前に身に着けているべき知識や技術はない

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