本講義では機械工学の中でも、発展的課題について体験学習をする。実際に機械に触れながら、材料の機械的特性、回転軸の危険速度、沸騰・凝縮、流れの可視化計測、破壊靭性、ロボットマニピュレータ、燃焼火炎に関する実験を実施し、機械工学に対する理解度を深める。具体的には、熱処理を施した鋼の組織と機械的特性に関する実験、回転軸の危険速度と釣り合わせに関する実験、相変化を伴う伝熱に関する実験、カルマン渦列の可視化と速度計測に関する実験、エネルギ解放率と破壊靭性に関する実験、ロボットマニピュレータ機構の解析と運動計測に関する実験、燃焼に関する実験を行う。
機械工学の発展的な実験を行うことによって機械工学への理解を深めるとともに、課題設定力、実践力および解決力を向上させることが主たるねらいである。 また、実験をとおして、チームワーク、リーダーシップ、コミュニュケーション力、データ収集・処理方法およびまとめ方、考察の仕方、レポートの作成方法などをみにつけることもねらいとしている。
本講義を履修することによって次の能力を修得する。
1)座学からだけでは学ぶことができない機械工学の発展的側面についての説明能力
2)機械工学の発展的課題に対する実験方法
3)課題設定力、実践力、解決力
4)チームワーク、リーダーシップ、コミニュケーション力
材料の機械的特性,回転軸の危険速度,相変化,沸騰・凝縮,流れの可視化,渦,破壊靭性,機構の解析と運動制御,燃焼,層流・乱流火炎
✔ 専門力 | 教養力 | ✔ コミュニケーション力 | ✔ 展開力(探究力又は設定力) | ✔ 展開力(実践力又は解決力) |
第1回のオリエンテーションでは、学生実験に対する心構えおよび注意事項と、実験レポートの執筆要領について説明をする。第2回目以降は、受講生を7つのグループに分け、各実験テーマを実施する。レポートは期日までに提出しなければならない。なお安全やスムーズな進行のためにも事前に実験マニュアルをよく読んでくることが求められる。
授業計画 | 課題 | |
---|---|---|
第1回 | オリエンテーション | 講義の概要とねらい、実験の進め方、レポートの書き方などを理解する. |
第2回 | 熱処理を施した鋼の組織と機械的特性 | 金属組織の違いと機械的特性との関係について学ぶ. |
第3回 | 回転軸の危険速度と釣り合わせ | 回転軸の危険速度の原理と影響係数法による振動のつり合わせ法ついて学ぶ. |
第4回 | 相変化を伴う伝熱 | 沸騰・凝縮実験を通して相変化を伴う伝熱現象に関する理解を深める. |
第5回 | カルマン渦列の可視化と速度計測 | 物体後流の流れ場を可視化し,流れ場の特性と関連する無次元数の関係を考察する.また速度計測を行い,非定常流れ場に関する理解を深める. |
第6回 | エネルギ解放率と破壊靭性 | 破壊靭性の概念を理解し、モードI条件下でのき裂の進展実験を行う. |
第7回 | ロボットマニピュレータ機構の解析と運動計測 | マニピュレータ機構の解析と運動計測の手法を理解し,実機の駆動・測定実験を行う. |
第8回 | 燃焼の実験 | 火炎形状を用いて層流燃焼速度を算出し,異なる条件下における燃焼速度の変化を理解する.また,乱流の火炎への影響を考察する. |
実験内容を記載した実験マニュアル「機械系発展実験」を配布する。
特になし
全出席および全実験履修が原則。実験レポートの内容、実験・演習参加時の積極性・真剣度によって総合的に評価する。
機械系基礎実験(MEC.P211.A)、機械系応用実験(MEC.P211.A)、材料力学(MEC.C201.R)、熱力学(MEC.E201.R)、基礎流体力学(MEC.F201.R)、機械力学(MEC.D201.R)、弾塑性力学(MEC.C211.A)、実在流体力学(MEC.F211.A)、解析力学基礎(MEC.D231.E)、機械材料工学(MEC.G211.A)、ロボット機構学(MEC.I211.A)を履修していること、または同等の知識があること。