2016年度 材料強度学(機械)   Strength and Fracture of Materials (Mechanical Engineering)

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開講元
機械系
担当教員名
中村 春夫  佐藤 千明 
授業形態
講義     
メディア利用科目
曜日・時限(講義室)
金1-4(I311)  
クラス
-
科目コード
MEC.C331
単位数
2
開講年度
2016年度
開講クォーター
2Q
シラバス更新日
2016年1月11日
講義資料更新日
-
使用言語
日本語
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講義の概要とねらい

 この授業では,これまでの「材料力学」や「弾塑性力学」で習得した力学の基礎に基づき,はじめに,さまざまな破損事例とその破損の法則について紹介し,線形破壊力学と弾塑性破壊力学の基礎を講義する.つぎに,材料で見られるいくつかの破壊の形態に触れ,破壊じん性と疲労強度,疲労き裂の発生機構と進展機構について講義する.最後に,これらの知識を実際の設計,保守・管理に活かすための強度設計の基礎と手法について講義する.  機械・構造物を設計し,それを保守・管理していくには,構造材料に力が加わったときに生じる変形や破壊についての理解が必要である.この授業では,材料の破損と破壊の力学,破壊じん性と疲労強度,疲労き裂の発生機構と進展機構の基礎について,材料の微視的な現象を理解するだけでなく,巨視的な材料の変形・破壊が微視的な現象とどのように関係しているかという視点で学習させる.また,これらの知識を実際の機械・構造物の設計,保守・管理に活かす強度設計手法について考察する方法を習得させる.

到達目標

本講義を履修することによって次の能力を修得する.
1)破損と破壊の力学について深く理解している.
2)強度の基本的特性,疲労強度,強度設計の基礎について理解している.
3)機械・構造物の強度設計が適切に行える.
4)機械・構造物の保守・管理に関して基礎的考察が行える.

キーワード

破壊,き裂,疲労,応力拡大係数,エネルギー解放率,破壊じん性,限界破壊エネルギー,J積分

学生が身につける力(ディグリー・ポリシー)

専門力 教養力 コミュニケーション力 展開力(探究力又は設定力) 展開力(実践力又は解決力)

授業の進め方

前半で材料強度の基本特性ならびに破壊力学の基礎を理解してもらい,後半でその応用について学んでもらいます.理解を深めてもらうために,宿題を課す回もあります.各回の学習目標をよく読み,予習と復習をしっかり行ってください.

授業計画・課題

  授業計画 課題
第1回 破損事故の歴史と材料強度学の役割 破損事故の歴史と教訓に関する理解
第2回 応力とひずみと破損の法則 強度則の種類と特徴に関する理解
第3回 き裂先端の応力場と応力拡大係数 き裂が存在する場合に破壊力学が必要な理由の理解
第4回 エネルギー解放率 エネルギー的な視点からみた破壊力学およびグリフィス理論の理解
第5回 き裂先端の塑性域 小規模降伏を伴う場合の破壊力学の修正に関する理解
第6回 J積分とき裂先端開口変位 弾塑性破壊力学における強度クライテリオンに関する理解
第7回 延性破壊と脆性破壊 材料の特性に依存する破壊形態に関する理解
第8回 破壊じん性 破壊靭性とその設計への適用法や試験方法の関連に関する理解
第9回 疲労破壊(疲労限度のS-N曲線) 繰返し応力下における材料の疲労強度に関する基礎的な理解
第10回 疲労強度におよぼす諸因子の影響 応力振幅,応力比,材料強度並びに構造物の切欠きが疲労寿命に及ぼす影響に関する理解
第11回 疲労き裂発生,微小き裂と低サイクル疲労 き裂発生と微小き裂並びに変動応力の影響,低サイクル疲労の評価方法に関する理解
第12回 疲労き裂進展機構 進展速度, 進展の下限界,進展の機構,疲労き裂閉口などに関する理解
第13回 強度設計の基礎(安全性と信頼性) 安全性と信頼性を確保する設計哲学の理解
第14回 強度設計の手法(セーフライフとフェールセーフ設計) 疲労き裂の発生と進展を考慮する設計・供用期間中検査手法の理解
第15回 演習

教科書

「改訂 材料強度学」,日本材料学会発行,2005.

参考書、講義資料等

小林英男著,『破壊力学』,共立出版

成績評価の基準及び方法

宿題(20%),中間試験(30%)と期末試験(50%)により成績を評価する.

関連する科目

  • 材料力学
  • 弾塑性力学

履修の条件(知識・技能・履修済科目等)

材料力学並びに弾塑性力学に関する十分な知識を有することが好ましい.

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