振動現象を代表として各種の動的現象のデータ解析としてスペクトル解析は有用である.本講義では,機械工学における構造動力学の事例を中心的に取り上げて具体的な演習を含めてスペクトル解析の基礎から応用までを習得する.
本講義のねらいは,フーリエ変換(実用的にはFFT)の理論を物理学的および数学的に十分に理解した上で実際のデータの分析に使いこなせるように教授することである.
到達目標は次のとおりである.
1.スペクトル解析を成立させる基盤的な現象理論の理解
2.具体的なスペクトル解析法とデータ処理法の理解
動的現象, スペクトル, 不規則振動, 相関性
✔ 専門力 | 教養力 | コミュニケーション力 | 展開力(探究力又は設定力) | ✔ 展開力(実践力又は解決力) |
解説講義と受講生各自のPCを使った演習の組み合わせ授業である.
授業計画 | 課題 | |
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第1回 | スペクトル解析研究の歴史概観と不規則振動とスペクトル | スペクトル解析法の研究の歴史と有用性を知り,学習意欲を高める. |
第2回 | 自己相関とスペクトルの関係 | 自己相関とスペクトルの関係を理解する. |
第3回 | 相互相関とクロススペクトルおよび伝達関数の関係 | 相互相関とクロススペクトルおよび伝達関数の関係を理解する. |
第4回 | 定常性とエルゴード性 | 定常性とエルゴード性の概念を理解する. |
第5回 | データ計測と処理法 | データ計測と処理法の基礎を理解する. |
第6回 | プログラミングによる学習 | 具体的に理論をプログラムコードで表現する. |
第7回 | 演習による理解 | 具体的な課題データを解析することで理論の妥当性を理解する. |
第8回 | 機械工学系でのスペクトル解析の活用 | スペクトル解析のさまざまな活用法,分野,将来性について考える. |
平成28年度から当面は講師配布資料とする.
スペクトル解析,日野幹雄著,朝倉書店,
演習(約30%)および期末試験(約70%)で評価します.
Matlabまたは何らかのプログラミング言語ソフトを有したノートPCを持参すること.
受講生は各自Matlabを入れ込んだノートPCを持参すること.