この講義は,大学院生が学術論文を書き,国際会議等で発表するための実践的なスキルを身につけることを目標としています. 講義は2つのパートからなります.
1つ目のパートでは,論文の書き方を学びます.論文の全体構成の仕方,概要やイントロダクション,実験結果などの書き方,効果的な結果のグラフ化の方法を学びます.また,論文が出版されるまでの過程を学びます.論文執筆は,ただ論文を書くだけではありません.研究者は,編集と査読がどのように行われるかを理解しておく必要があります.講義では,査読者のコメントに応じて如何にして原稿を改訂するのかを学びます.さらに,論文執筆において起こしがちな一般的な誤り,文法やフォーマットの問題を避ける方法も扱います.実習を通じて,学術論文の執筆能力を磨くことができます.
2つ目のパートでは,プレゼンテーションを学びます.効果的な発表スライドの設計方法,口頭発表の仕方,そして質疑応答への対応方法を学びます.
この講義を受講することで,学生は以下の力を身につけることができます.
(1)学術論文の書き方
(2)査読者のコメントへの対応方法
(3)効果的な発表スライドの作成方法
(4)発表方法と質疑応答への対応方法
サイエンティフィックライティング; プレゼンテーション; 質疑応答
専門力 | 教養力 | ✔ コミュニケーション力 | ✔ 展開力(探究力又は設定力) | 展開力(実践力又は解決力) |
木曜に論文の書き方に関する講義を行い,月曜に発表と質疑応答に関する実習を行う.
授業計画 | 課題 | |
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第1回 | (1)この講義のガイダンス (2)論文出版における倫理原則 (3)オープンアクセスとオープンサイエンスの原則 (4)編集と査読の過程 | - |
第2回 | (1)良いプレゼンテーションとは (2)発表スライドの準備 (3)良くある間違い | 講義で習ったことの復習 |
第3回 | (1)IMRaDを用いた論文の構成方法 (2)実験方法(Materials & Methods)の章の書き方 (3)効果的な用語,文章,パラグラフの用い方 | 課題 |
第4回 | (1)ヒアリングのテクニック (2)メモ取りのこつ (3)練習 | 講義で習ったことの復習 |
第5回 | (1)結果(Results)の章の書き方 (2)効果的な図表の作成 (3)図表の説明の方法 | 課題 |
第6回 | (1)質疑応答のやり方 (2)質疑応答の練習 | 発表(スライド)の準備をする |
第7回 | (1)考察とまとめ(Discussion and Conclusions)の章の書き方 (2)良いタイトルの選び方 (3)参考文献の引用 | 課題 |
第8回 | (1)学生による発表 (2)質疑応答の練習 | 発表(スライド)の準備をする |
第9回 | (1)言い換えと要約の書き方 (2)概要の書き方 (3)良くある間違え:修飾語の場所の間違え | 課題 |
第10回 | (1)学生による発表 (2)質疑応答の練習 | 発表(スライド)の準備をする |
第11回 | (1)批評の表現方法 (2)査読コメントへの対応と原稿の改訂 | 課題 |
第12回 | (1)学生による発表 (2)質疑応答の練習 | 発表(スライド)の準備をする |
第13回 | (1)総説の書き方 (2)謝辞の書き方 | 課題 |
第14回 | (1)学生による発表 (2)質疑応答の練習 | 発表(スライド)の準備をする |
第15回 | (1)学生による発表 (2)質疑応答の練習 | - |
特に指定しない.講義で資料を配布する.
H. Glasman-Deal (2009) Science Research Writing: A Guide for Non-Native Speakers of English, Imperial College Press.
J.L. Lebrun (2009) When the Scientist Presents: An Audio and Video Guide to Science Talks. World Scientific Publishing Company.
成績は,課題と発表の達成状況で評価する.
少なくとも中級程度の英語能力を必要とする.
daniel.berrar [at] ict.e.titech.ac.jp
この講義は,海外論文誌や国際会議へ論文投稿や,国際会議での発表を予定している大学院生(修士課程および博士課程)を対象としている.この講義は英語を母国語としない学生向けではあるが,英語を母国語とするが学術的な論文の出版や科学的な発表に慣れていない学生にも役に立つだろう.