2017年度 計算機アーキテクチャ第二   Computer Architecture II

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開講元
情報工学科
担当教員名
宮﨑 純  吉瀬 謙二 
授業形態
講義     
メディア利用科目
曜日・時限(講義室)
月1-2(W323)  木1-2(W323)  
クラス
-
科目コード
ZUS.P303
単位数
2
開講年度
2017年度
開講クォーター
3Q
シラバス更新日
2017年3月17日
講義資料更新日
-
使用言語
日本語
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講義の概要とねらい

本講義では、最新の計算機システムに採り入れられている高速プロセッサの構成方式とその制御方式について紹介し、これらの技術を駆使したパイプラインプロセッサ、ベクトルコンピュータ、並列計算機、相互結合網、マルチコアプロセッサ等の先端的な計算機アーキテクチャの概念と技術を習得する。
 高速な計算を行なうためには、パイプライン処理やマルチプロセッサによる並列処理が重要であり、現代の高速な計算機アーキテクチャの根幹を成している。本講義では、ハードウェア技術の側面だけに留まらず、それに対応するプログラミングモデルについても紹介し、両側面から現代の計算機アーキテクチャの技術を理解して欲しい。

到達目標

本講義を履修することにより、次の能力を修得する。
・パイプラインプロセッサの概念、ならびにその応用であるスーパスカラプロセッサの動作原理と特徴を、ハードウェアとソフトウェアの両側面から理解できる。
・ベクトルコンピュータの基本原理と、その性能との関係について理解できる。
・マルチプロセッサシステムの分類と、構成方法について理解できる。
・マルチプロセッサシステムにおけるデータの一貫性維持の仕組みについて、ハードウェアとソフトウェアの両側面から各々の特徴を理解できる。

キーワード

RISC、パイプライン処理、ベクトルコンピュータ、相互結合網、共有メモリ型マルチプロセッサシステム、メッセージパッシング型マルチプロセッサシステム、マルチコアプロセッサ

学生が身につける力(ディグリー・ポリシー)

専門力 教養力 コミュニケーション力 展開力(探究力又は設定力) 展開力(実践力又は解決力)

授業の進め方

講義の80%を教授項目の説明を行ない、残りの20%を理解度のチェックを兼ねた簡単なクイズと、その解説を行ないます。

授業計画・課題

  授業計画 課題
第1回 計算機の高速化と評価 スループットと応答時間の関係の説明、アムダールの法則の理解
第2回 命令セットアーキテクチャ / アドレシングモード / CISC CISCの利点と欠点の説明
第3回 RISC / パイプライン処理 RISCの利点と欠点の説明、パイプライン処理の原理の理解
第4回 パイプラインハザード / 静的多重命令発行プロセッサ / VLIW パイプラインハザードの理解と解決方法の説明
第5回 動的多重命令発行プロセッサ / スーパスカラプロセッサ / Tomasuloアルゴリズム Tomasuloアルゴリズムの理解
第6回 算術パイプライン / 非線形パイプライン 非線形パイプラインのスケジューリング方法の説明
第7回 ベクトル計算機アーキテクチャ ベクトルアーキテクチャの原理の説明
第8回 ベクトル計算機の性能向上と性能評価 ベクトル計算機の性能の計算方法の理解
第9回 静的相互結合網 / パケットスイッチング 静的相互結合網の種類とルーティング方法の説明
第10回 動的相互結合網 動的相互結合網の構成方法の説明
第11回 マルチプロセッサ / 共有メモリ型マルチプロセッサ / キャッシュコヒーレンシ / スヌーピングキャッシュ一貫性プロトコル スヌーピングキャッシュ一貫性プロトコルの説明
第12回 ディレクトリ型キャッシュ一貫性プロトコル / 共有メモリ型マルチプロセッサのプログラミングモデル キャッシュ一貫性プロトコルとスレッド間の相互排除の関係の理解
第13回 分散メモリ型マルチプロセッサ / メッセージパッシング / 分散メモリ型マルチプロセッサのプログラミングモデル 分散メモリ型マルチプロセッサのプログラミングモデルの理解
第14回 マルチコアプロセッサ / メニーコアプロセッサ / GPU マルチコアプロセッサ、メニーコアプロセッサの特徴の理解
第15回 ハードウェアマルチスレッディング / SIMD命令 / 先進的な話題 ハードウエアマルチスレッディングとSIMD命令の理解

教科書

指定なし

参考書、講義資料等

講義資料は、OCW-iに掲載します。
[参考書]
- コンピュータアーキテクチャ 定量的アプローチ第5版,ヘネシー & パターソン著,翔泳社,2014
- コンピュータの構成と設計 第5版 (上・下),パターソン & ヘネシー著,日経BP社,2014

成績評価の基準及び方法

到達度を期末試験により評価する。

関連する科目

  • CSC.T341 : コンピュータ論理設計
  • ZUS.P302 : 計算機アーキテクチャ第一
  • CSC.T262 : アセンブリ言語
  • CSC.T376 : 先端情報工学

履修の条件(知識・技能・履修済科目等)

履修の必須条件は設けないが、計算機アーキテクチャ第一とアセンブリ言語の講義を事前に受講しておくのが望ましい。

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