[講義の概要]本講義では、学部2年生を対象に、物理化学、有機化学、無機化学に関する問題演習と解説を行う。
[講義のねらい] 物理化学、有機化学、無機化学は応用化学の基礎である。平行して開講される科目に関連する基本的な問題演習を通じて、これらの分野に関する理解を深める。
本講義を履修することによって次の能力を修得する。
1) 熱力学、化学平衡に関する標準的な問題に解答することができる。
2) 量子化学に関する標準的な問題に解答することができる。
3) 脂肪族炭化水素に関する標準的な問題に解答することができる。
4) 化学結合と構造、無機反応に関する標準的な問題に解答することができる。
熱力学第一法則、エンタルピー、熱力学第二法則、エントロピー、ギブズエネルギー、化学ポテンシャル、活量、波と粒子の二重性、シュレーディンガー方程式、波動関数、アルカン、立体配座、アルケン、原子構造、共有結合、イオン結合、酸塩基反応、酸化還元反応
✔ 専門力 | 教養力 | コミュニケーション力 | 展開力(探究力又は設定力) | ✔ 展開力(実践力又は解決力) |
1) 毎回の授業で問題演習を行います。
2) 授業の後半では問題の解答と解説を行います。
3) 毎回の授業で出席を取ります。
4) 授業の前に、課題欄に記載されている項目について、予習しておくことが必要です。
授業計画 | 課題 | |
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第1回 | 授業ガイダンス | 授業の目的、概要が説明できる。 |
第2回 | 物理化学1.(熱力学第一法則) | 仕事、熱、内部エネルギー、エンタルピーとそれらの関係に関する問題演習を行う。 |
第3回 | 有機化学1.(メタン) | メタンの構造と結合に関する問題演習を行う。 |
第4回 | 量子化学1.(波と粒子の二重性) | 電子がもつ波動性と粒子性に関する問題演習を行う。 |
第5回 | 無機化学1.(原子構造) | 原子の構造に関する問題演習を行う。 |
第6回 | 物理化学2.(熱力学第二法則) | エントロピー、ヘルムホルツエネルギー、ギブズエネルギーとそれらの関係に関する問題演習を行う。 |
第7回 | 有機化学2.(アルカンの立体化学) | アルカンの立体配座とシクロアルカンの構造に関する問題演習を行う。 |
第8回 | 量子化学2.(波動関数) | 波動関数の物理的意味とSchrödinger方程式に関する問題演習を行う。 |
第9回 | 無機化学2.(共有結合) | 原子価結合法、分子軌道法に関する問題演習を行う。 |
第10回 | 物理化学3.(相図) | 相図に関する問題演習を行う。 |
第11回 | 有機化学3.(アルケンの構造) | アルケンの構造と幾何異性に関する問題演習を行う。 |
第12回 | 無機化学3.(固体構造) | 代表的な固体の構造とイオン結合に関する問題演習を行う。 |
第13回 | 物理化学4.(化学平衡) | 化学ポテンシャルと活量に関する問題演習を行う。 |
第14回 | 有機化学4.(アルケンの合成と反応) | アルケンの合成法と付加反応に関する問題演習を行う。 |
第15回 | 無機化学4.(酸塩基反応、酸化還元反応) | pKa値、標準電位の定義と使い方に関する問題演習を行う。 |
P. Atkins, J. de Paula著、千原、中村 訳「アトキンス物理化学(上)」第8版(東京化学同人)ISBN: 978-4-8079-0695-6.
J. McMurry著、伊東、児玉、荻野、深澤、通 訳「マクマリー有機化学(上)」第8版(東京化学同人)ISBN: 978-4-8079-0809-7.
P. Atkins, T. Overton, J. Rourke, M. Weller, F. Armstrong著、田中、平尾、北川 訳「シュライバー・アトキンス無機化学(上)」第4版(東京化学同人)ISBN: 978-4-8079-0667-3.
演習問題は講義中に配布する。
毎回の演習に対する参加度(100%)(授業参加度は質疑応答や演習後の提出課題などにより算出する。)遅刻や課題の未提出を繰り返した場合は不合格とすることがある。
1) 1年次で履修する物理化学および有機化学の知識を有していること。
2) 平行して開講される関連科目の履修が強く望まれる。