本講義は、高分子工学科所属学生に対して、学科内の複数分野の研究活動を体験させるものである。教員は、各学生に割り当てた2研究室それぞれにおいて、冒頭に研究分野の概要と社会との繋がりを解説し、その後学生を具体的な研究活動に携わらせる。研究活動の内容は各研究室に依る。標準的には、まず学生の選択した個別研究テーマについての文献調査を自身で行わせ、調査方法と批判的なものの見方を理解させるとともに、最新の技術の潮流に触れさせる。さらに個別研究テーマに即した実験・シミュレーションを経験させた後に、教員との討論を経てレポート作成及び発表をさせることにより、専門的視点からの考察方法と研究結果のまとめ方、自らの考えを論理立てて文章にまとめ、発表する方法を教授する。
学科所属学生が学士論文研究を実施する前に、複数の研究室に赴かせ、各教員の行っている最先端の研究内容を体感させることにより、研究の楽しさと難しさに気づかせ、研究の進め方を理解させることを本講義のねらいとする。さらに高分子工学科の研究分野の広がりと、個別の研究が社会とどのように関連しているかを理解させるとともに、学士論文研究の実施場所の参考としてもらう。
高分子工学特別ゼミを履修することにより、次の能力を修得する。
1)高分子工学分野における研究の潮流を理解し、批判的に研究を評価する能力
2)専門知識を基礎として、研究活動に携わり、実験・シミュレーション内容について議論する能力
3)論理的思考により、実験・シミュレーション結果を考察する能力
4)研究結果に関する自らの考えを論理立てて文章にまとめ、発表する能力
プロジェクト、研究室、研究関連科目、作文技術、卒業研究
✔ 専門力 | 教養力 | ✔ コミュニケーション力 | 展開力(探究力又は設定力) | ✔ 展開力(実践力又は解決力) |
各受講生の希望を基に、2研究室(ここではA、Bとしている)を個々の受講生に割り当て、研究室内で研究活動を行う。前半の研究室Aは各6回、後半の研究室Bは6回の内容で構成される。研究活動の詳細は、受講生と各研究室の担当教員が相談して決定する。
授業計画 | 課題 | |
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第1回 | オリエンテーション、訪問研究室決定、研究室Aにおける研究分野の概要説明と文献調査 | 授業の目的、概要が説明できるようになる。 研究分野の、社会における位置づけが説明できるようになる。 |
第2回 | 研究室Aにおける研究体験 | 実施した実験・解析結果を整理し、理解できるようになる。 |
第3回 | 研究室Aにおける研究体験 | 実施した実験・解析結果を分析・検討できるようになる。 |
第4回 | 研究室Aにおける研究体験および考察と討論 | 研究実施レポートを作成し、研究内容の基礎的事項を他者と議論できるようになる。 |
第5回 | 研究室Aにおける考察と討論 | 研究実施レポートを作成し、研究内容を他者と議論できるようになる。 |
第6回 | 研究体験発表会 | 発表用資料を作成し、他者に説明できるようになる。 |
第7回 | 研究室Bにおける研究分野の概要説明と文献調査 | 研究分野の、社会における位置づけが説明できるようになる。 |
第8回 | 研究室Bにおける研究分野の概要説明と文献調査 | 研究分野の、社会における位置づけが説明できるようになる。 |
第9回 | 研究室Bにおける研究体験 | 実施した実験・解析結果を分析・検討できるようになる。 |
第10回 | 研究室Bにおける研究体験および考察と討論 | 研究実施レポートを作成し、研究内容の基礎的事項を他者と議論できるようになる。 |
第11回 | 研究室Bにおける考察と討論 | 研究実施レポートを作成し、研究内容を他者と議論できるようになる。 |
第12回 | 研究体験発表会 | 発表用資料を作成し、他者に説明できるようになる。 |
第13回 | 研究倫理 | 研究活動の社会的科学的影響から守るべき研究モラルを考察し、倫理観を身につける。 |
第14回 | 学士論文研究の説明(1) | 学士論文研究として希望する実施場所・内容を説明できる。 |
第15回 | 学士論文研究の説明(2) | 学士論文研究として希望する実施場所・内容を説明できる。 |
必要に応じて指定する
必要に応じて指定する
各研究室における研究活動を通じた到達目標1)~3) (60%)研究実施レポート及び発表用資料を通じた到達目標4)(40%)
高分子工学科3年次学生であること