この演習では物理化学および高分子物理第三(レオロジー)の問題を出題し,講義内容の理解を深めさせる.
式の導出を通し物理化学の考え方を理解し,数値計算をとおし,高分子物理に対する定量的な考察力と感覚を養う.
本講義を履修することによって次の能力を習得する.
1)高分子の粘弾性を現象論と分子論に基づいて説明し,データを定量的に扱うことができる.
2)高分子科学に関する英文を読解できる.
3)化学反応速度論と統計熱力学を理解して、反応や熱力学関数を解釈できる.
反応速度,分配関数,粘弾性,ゴム弾性,温度時間換算則,マスターカーブ
✔ 専門力 | ✔ 教養力 | コミュニケーション力 | 展開力(探究力又は設定力) | ✔ 展開力(実践力又は解決力) |
学生は配布された問題を解く.教員は適宜解説を加える.講義の初めに前回の内容に関係する小テストを実施する.
専門用語と科学技術英語の習得を目的に問題は英文とする(戸木田).
授業計画 | 課題 | |
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第1回 | 化学反応速度(古屋秀峰) | 反応次数、速度定数、活性化エネルギーを計算する. |
第2回 | 気体分子運動(古屋秀峰) | マックスウェルの速さの分布、平均の速さ、平均自由行程について理解して計算する。 |
第3回 | ゴム弾性I(戸木田雅利) | ゴム弾性とゴムの熱的事象を熱力学的に考察する. |
第4回 | ゴム弾性II(戸木田雅利) | 高分子鎖の1本の弾性,理想的ネットワークの弾性,ずり弾性率と架橋点間分子量の関係を計算する. |
第5回 | 線形粘弾性I(戸木田雅利) | 粘弾性体の応力,歪み,弾性率, 粘性率を計算する. |
第6回 | 線形粘弾性II(戸木田雅利) | Willams-Landel-Ferryの式を使って異なった温度での高分子溶融体の粘度を推定する. |
第7回 | 線形粘弾性III(戸木田雅利) | 動的粘弾性のマスターカーブから分子量や粘度を推定する. |
第8回 | まとめ | 高分子物理第3(CAP.P321)の期末試験の自己採点 |
演習問題は毎回配布する.
アトキンス物理化学(下)第8版,東京化学同人 ISBN978-4-8079-0696-3
高分子学会編,基礎高分子科学,東京化学同人,2006 ISBN :978-4-8079-0635-2
講義の初めに実施する前回の内容に関する小テストで評価する.
高分子統計力学,高分子物理第一を履修していること,または同等の知識があること.高分子物理第三を同時に受講しているか,履修していること,または同等の知識があること.