本講義では,高分子化合物の特性解析として重要な13C-NMR、二次元NMR、熱分析、散乱法、顕微鏡、計算化学に関する基礎知識と、測定方法、装置の原理、および具体的な解析方法について説明する。各種測定法の解析について問題演習を行い、実際の実験測定の際に適用できる能力を養う。
高分子化合物をはじめとする有機物質の合成や、構造、物性を調べる際、特性解析(キャラクタリゼーション)は必須である。高分子構造を決定するために、どのような測定方法を適用し、得られた測定結果をどのように解析するのかを学ぶ。
本講義を履修することによって,次の能力を修得する。
1)13C-NMRと二次元NMRを説明できる
2)熱分析を説明できる
3)散乱法を説明できる
4)顕微鏡を説明できる
5)計算化学を説明できる
13C-NMR、二次元NMR、熱分析、散乱法、顕微鏡、計算化学
✔ 専門力 | 教養力 | コミュニケーション力 | 展開力(探究力又は設定力) | ✔ 展開力(実践力又は解決力) |
各講義では、基礎知識の解説を行う。講義内容の確実な理解と解決力を養うために、適宜講義内容に関する課題演習を行う。
授業計画 | 課題 | |
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第1回 | 顕微鏡 (中嶋 健) | 各種顕微鏡の特徴と高分子材料への応用事例について理解する。原子間力顕微鏡の原理と高分子材料への応用事例について理解する。 |
第2回 | 熱分析(戸木田雅利) | 熱分析の定義と種類,示差走査型熱量測定(DSC))の原理を説明できるようになる.DSCにより相転移温度,エンタルピー,エントロピー,比熱,エンタルピー緩和量が決定できる。熱分析で測定した高分子の物性を高分子構造と関連付けて考察する。 |
第3回 | 散乱法 I(野島修一) | 高分子中に形成する様々な大きさの構造を調べるための”散乱法”の原理を理解する。 |
第4回 | 散乱法 II (野島修一) | 散乱法(光、X線、中性子線)と高分子構造の関連について理解する. |
第5回 | 13C-NMR法と二次元NMR法 (古屋秀峰) | 13-NMRと二次元NMRの基礎とスペクトル解析が説明できる。 |
第6回 | 計算化学 I (川内 進) | 高分子研究における計算化学の役割を理解する。 |
第7回 | 計算化学 II (川内 進) | 高分子研究における計算化学の役割を理解する。 |
第8回 | 総合演習と期末試験 | 全体の復習演習と期末試験を行う。 |
特になし
講義資料は講義前にOCW-iを通じて配付する。
配点は期末試験(80%)、演習(20%)
履修条件は特に設けないが,関連する科目を履修していることが望ましい。