2016年度 量子力学(材)   Quantum Mechanics(Materials Engineering Course)

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開講元
無機材料工学科
担当教員名
松下 祥子  東 正樹 
授業形態
講義     
メディア利用科目
曜日・時限(講義室)
月1-2(H111)  木3-4(H111)  
クラス
-
科目コード
ZUH.C201
単位数
2
開講年度
2016年度
開講クォーター
1Q
シラバス更新日
2016年4月27日
講義資料更新日
-
使用言語
日本語
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講義の概要とねらい

I 量子論や原子構造等の量子力学の初歩を習得した学生に対して,(1)分子構造とそのエネルギー準位に関する講義,(2)分子の対称(群論)に関する講義を行う。無機化学,分光学,固体物理学などへの橋渡しとして,その量子力学的基礎を与える。
II 水素分子-イオン,2原子分子(1),2原子分子(2),多原子分子,バンド構造,対称要素,点群,群,表現,指標,基底,指標表など。

到達目標

半導体。キャパシタ。超伝導。太陽電池。熱電。プラズモニクス。どれも電子のふるまいを利用して生まれる機能材料です。こういった材料を作るには、まず、電子の性質を知る必要があります。本講義では、この電子の性質を、直感的につかみ、結晶構造と電子の関係を群論で表すことができるようになることを目標にします。

キーワード

シュレーディンガー方程式、分子軌道、点群、指標表

学生が身につける力(ディグリー・ポリシー)

専門力 教養力 コミュニケーション力 展開力(探究力又は設定力) 展開力(実践力又は解決力)

授業の進め方

スライドを利用しながら各項目を説明し、必要に応じてプリント配布・小テストなどを行う。

授業計画・課題

  授業計画 課題
第1回 量子論:基礎の復習 シュレーディンガー方程式などの復習を行う。
第2回 原子軌道 原子軌道についての復習を行う。
第3回 分子軌道法 分子軌道の計算方法について学ぶ。
第4回 水素分子イオン 一番簡単な分子として、電子一個を二原子で共有する水素分子イオンの分子軌道を考える。
第5回 2原子分子 2原子分子の分子軌道を考える。
第6回 ヒュッケル近似 π電子を持つ分子に力を発揮するヒュッケル近似について学ぶ。
第7回 スピン 電子の持つスピンについて、その量子力学的表現方法と共に学ぶ
第8回 中間テスト 前半部の理解度を確認する。
第9回 対称要素と対称操作 対称操作とブラベー格子について学ぶ。
第10回 分子の対称による分類 点群とステレオ投影法について学ぶ。
第11回 対称から導かれる結果 シェーンフリース表記と点群から導かれる物性について学ぶ。
第12回 分子軌道のための群論入門 I 指標表と既約表現について学ぶ。
第13回 分子軌道のための群論入門 II 対称種のマリケン表記と対象適合一次結合について学ぶ。
第14回 電気双極子遷移 電気双極子遷移(光吸収・放出)が起きる条件について学ぶ。
第15回 「分子の対称」のまとめ 後半の内容について復習する

教科書

Physical Chemistry (P. W. Atkins)

参考書、講義資料等

推奨する参考図書は適宜講義で紹介する

成績評価の基準及び方法

中間(45%)・期末試験(45%)・出席(10%)により評価する

関連する科目

  • MAT.C201 : 無機量子化学
  • MAT.P201 : 量子化学A
  • MAT.P202 : 量子化学B

履修の条件(知識・技能・履修済科目等)

授業を理解する上で,量子力学の基礎を理解していることが必要である.

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