金属・合金の材料特性は,化学組成ばかりでなく微視組織によって決定される。本講義では,微視組織の形成機構を理解するために必要な金属組織学の基礎について解説する。すなわち,組織を形成する構成相の相安定性や相変化挙動が平衡熱力学によって数学的に記述できること,また,フィックの第一・二法則に基づいて拡散律速型組織変化の速度が定量的に評価できること等を説明する。
組織を形成する構成相の相安定性や相変化挙動が平衡熱力学によって数学的に記述できることを理解する。また,フィックの第一・二法則に基づいて拡散律速型組織変化の速度が定量的に評価できることを理解する。
相安定性,相変化挙動,平衡熱力学,フィックの第一・二法則
✔ 専門力 | 教養力 | コミュニケーション力 | 展開力(探究力又は設定力) | 展開力(実践力又は解決力) |
座学による講義を主体とし,適宜,演習等を実施する。
授業計画 | 課題 | |
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第1回 | 相安定性とエネルギー | クイズ1 |
第2回 | エントロピーとエンタルピー | クイズ2 |
第3回 | 合金の自由エネルギー (理想溶体,正則溶体) | クイズ3 |
第4回 | 自由エネルギーと状態図 | クイズ4 |
第5回 | 均質核生成・不均質核生成 | クイズ5 |
第6回 | スピノーダル分解 | クイズ6 |
第7回 | 析出反応 | クイズ7 |
第8回 | 中間試験 | 中間試験 |
第9回 | フィックの第一・二法則 | クイズ8 |
第10回 | 拡散方程式の解 | クイズ9 |
第11回 | 変数分離法による解法 | クイズ10 |
第12回 | Boltzmann-Matano 法 | クイズ11 |
第13回 | Darken の解析法 | クイズ12 |
第14回 | 拡散律速型の界面移動 | クイズ13 |
第15回 | 界面移動と析出反応 | クイズ14 |
配付資料を教科書とする。
参考書
(1) Materials Science and Engineering: W. D. Callister, Jr, John Wiley & Sons, Inc.
(2) Phase Transformations in Metals and Alloys: D. A. Porter and K. E. Eastering, Chapman & Hall.
(3) Alloy Phase Equilibria: A. Prince, Elsevier Publishing Company.
(4) 解いてわかる材料工学 II, 丸善 (1997), ISBN 4-621-04285-8 C3057.
(5) 固体内の拡散: P.G.Shewmon (笛木和夫, 北澤宏一訳), コロナ社.
(6) 金属物理学序論: 幸田成康, コロナ社.
演習,中間試験および期末試験の総合得点により評価する。その際,100点満点の総合得点が60点以上を合格とする。
常微分方程式や偏微分方程式の解法を修得していること
特に無し。