本講義では一変数正則保型形式について基礎的事項を説明する。まず学部程度の基礎知識を前提として、リーマン・ゼータ関数の基礎的性質を証明し、保型L関数の理論への導入とする。次に一変数正則保型形式を定義して、いくつかの実例を通して具体的な扱いに親しめるようにする。本講義は、引き続き行われる 「代数学特別講義 B」 に続くものである。
保型形式は現代の整数論の基礎であり,群の表現論,数論幾何,理論物理などの様々の分野と関係する重要な数学的対象である。
特に重要な概念は以下の通りである:
リーマン・ゼータ関数(オイラー積、解析接続、特殊値)、楕円保型形式、フーリエ係数、アイゼンシュタイン級数。
これらの概念に習熟し,自ら実例を計算する力を身につけることを目標とする。
保型形式,モジュラー群, ゼータ関数
✔ 専門力 | 教養力 | コミュニケーション力 | 展開力(探究力又は設定力) | 展開力(実践力又は解決力) |
通常の講義形式による。
授業計画 | 課題 | |
---|---|---|
第1回 | 乗法的関数 | 講義中に指示する |
第2回 | リーマン・ゼータ関数 | 講義中に指示する |
第3回 | リーマン・ゼータ関数の解析接続,特殊値 | 講義中に指示する |
第4回 | モジュラー群 | 講義中に指示する |
第5回 | 楕円保型形式 | 講義中に指示する |
第6回 | 楕円保型形式の例(1) アイゼンシュタイン級数 | 講義中に指示する |
第7回 | 楕円保型形式の例(2) ラマヌジャンのデルタ関数 | 講義中に指示する |
学修効果を上げるため,教科書や配布資料等の該当箇所を参照し,「毎授業」授業内容に関する予習と復習(課題含む)をそれぞれ概ね100分を目安に行うこと。
使用しない
T. M. Apostol: Modular Functions and Dirichlet Series in Number Theory (Springer)
上記レポートの解答状況による。詳細は講義中に指示する。
学部程度の代数,複素関数論
2016年度に大学院に入学した学生は、この科目を教職科目として使うことはできません。
本年度の履修登録に当たっては十分に注意をして下さい。