工学リテラシーI-IVは工学院の新入生が2年次以降に積極的に専門教育を受けられるように,高校までの一般教育と200番台以降の専門教育との橋渡しの役目をねらいとするとともに,工学的センスや問題解決の姿勢などを身に付けることをねらいとする.
工学リテラシーI-IVを1年間通じて受講することで工学院に関連する以下の7テーマの実験実習を経験することができる.
【ものを加工する(機械工作)】
【ものを熱で動かす(ぽんぽん蒸気船)】
【ものの形を創る(CAD演習)】
【ものを制御する(制御システムの設計)】
【マイコン搭載ワイヤレス電気自動車】
【通信・計算機システムと知的情報処理】
【技術をマネジメントする(管理技術)】
本講義を履修することにより,以下の知識と能力を習得する.
【通信・計算機システムと知的情報処理】
1) 基礎学問や通信・ハードウエア技術と最新の知的情報処理のつながりを説明できる.
2) ニューラルネットの基礎的な動作の仕組みを説明できる.
3) 暗号化通信を介してスーパーコンピュータにログインし大規模計算を行える.
【技術をマネジメントする(管理技術)】
1) 広義の生産システムを対象とした管理技術の概要について理解し,そこに含まれる技法を理解する.
2) 最適化およびゲーム理論における基本的な問題と,それを解くアルゴリズムについて学ぶ.
【通信・計算機システムと知的情報処理】
深層学習,ニューラルネット,知的情報処理,並列計算,通信
【技術をマネジメントする(管理技術)】
管理技術, インダストリアルエンジニアリング, 認知工学,最適化,ゲーム理論
✔ 専門力 | 教養力 | コミュニケーション力 | 展開力(探究力又は設定力) | ✔ 展開力(実践力又は解決力) |
【通信・計算機システムと知的情報処理】
深層学習による知的情報処理をテーマとし,それがどのように線形代数,微分積分,確率統計,数値計算,グラフ理論,生体情報処理といった学問や,通信・計算機技術の応用として実現されているかを俯瞰する.さらに,画像認識,音声認識,テキスト処理からテーマを一つ選択し,東工大のスーパーコンピュータTSUBAME(またはクラウド計算機)上でニューラルネットの学習・評価実験を行う.本講義の前半は知的情報処理を実現する各種学問分野・技術分野について講習を行い,後半は深層ニューラルネットの学習・評価実験を行う実習に取り組む.
【技術をマネジメントする(管理技術)】
本講義は,管理技術のトピックである認知行動分析と最適化,およびゲーム理論について学ぶ.
授業計画 | 課題 | |
---|---|---|
第1回 | 各種学問・技術分野と知的情報処理 導入:経営担当分 | 各種学問・技術分野と深層ニューラルネットを用いた知的情報処理のつながりを説明できる 管理技術分野の概要を説明する. |
第2回 | ネットワーク上の計算リソースの利用法 | インターネットを介して大規模計算機システムへログインし計算リソースを利用する手順を説明できる |
第3回 | 深層ニューラルネットの学習と評価(1) | PC端末から大規模計算機システムにログインし,知的情報処理を行うスクリプトを実行できる |
第4回 | 深層ニューラルネットの学習と評価(2) | 知的情報処理を行うスクリプトの内部を観察して動作の概要を理解し説明することができる |
第5回 | 管理技術Ⅰ(認知行動分析) | 認知行動を対象とした分析技法を適用し,操作インタフェースの評価を行う. |
第6回 | 管理技術Ⅱ(最適化) | 基本的な最適化問題と,それを解くためのアルゴリズムを学ぶ. |
第7回 | 管理技術Ⅲ(ゲーム理論) | 基本的なゲーム理論の問題と,それを解くためのアルゴリズムを学ぶ. |
学修効果を上げるため,教科書や配布資料等の該当箇所を参照し,「毎授業」授業内容に関する予習と復習(課題含む)をそれぞれ概ね100分を目安に行うこと。
なし
資料配布
【通信・計算機システムと知的情報処理】
レポートにより評価する.
【技術をマネジメントする(管理技術)】
毎回の課題の結果を評価する.
工学院の1年次学生であること(再履修は不可).工学リテラシーI-IVを1年間通じて受講することを強く推奨する