2018年度 数学特別講義C   Special lectures on advanced topics in Mathematics C

文字サイズ 

アップデートお知らせメールへ登録 お気に入り講義リストに追加
開講元
数学コース
担当教員名
遠藤 久顕  鎌田 聖一 
授業形態
講義     
メディア利用科目
曜日・時限(講義室)
集中講義等   
クラス
-
科目コード
MTH.E433
単位数
2
開講年度
2018年度
開講クォーター
2Q
シラバス更新日
2018年3月20日
講義資料更新日
-
使用言語
日本語
アクセスランキング
media

講義の概要とねらい

本講義の主要なテーマは、結び目・曲面結び目の基本概念、カンドルを用いた不変量、ブレイド・2次元ブレイド及びそのチャート表示、結び目・曲面結び目のブレイド表示である。まず、結び目の基本的な概念を説明し、カンドルとそれを用いた不変量を説明する。次元をあげた曲面結び目について、モーションピクチャー法や曲面図式などの基本的な概念を説明し、カンドルなどの不変量を紹介する。最後に、ブレイドと2次元ブレイド、及びそれらのチャート表示と結び目理論との関係を説明する。
結び目が3次元空間内の曲線であるのに対して、曲面結び目は4次元空間内の曲面である。結び目理論で扱われているカンドルを用いた不変量や結び目のブレイド表示に関する理論は、曲面結び目についても成立する。この自然な対応を理解することがこの講義の狙いである。

到達目標

・結び目図式を用いて結び目を表示し、不変量を用いて結び目を区別できるようになること
・カンドルの代数的公理と結び目図式との関係を理解すること
・モーションピクチャー法と曲面図式による曲面結び目の表示方法を理解すること
・ブレイドのアルティン表示、2次元ブレイドのチャート表示を理解すること
・ブレイドと2次元ブレイドと結び目理論との関係を理解すること

キーワード

結び目、結び目図式、結び目群、カンドル、カンドル彩色、コサイクル不変量、曲面結び目、モーションピクチャー法、曲面図式、ローズマン変形、自明な曲面結び目、曲面結び目群、正則オイラー数、ch図式、マーカー付きグラフ図式、ブレイド群、アルティンのブレイド群表示、2次元ブレイド、チャート表示、モノドロミー、アレクサンダーの定理、マルコフの定理

学生が身につける力(ディグリー・ポリシー)

専門力 教養力 コミュニケーション力 展開力(探究力又は設定力) 展開力(実践力又は解決力)

授業の進め方

講義形式で行う。レポート課題がある。

授業計画・課題

  授業計画 課題
第1回 以下の内容を順に解説する予定である。 ・結び目の基礎:結び目図式、連結和、結び目群とWirtinger表示 ・カンドルを用いた結び目不変量:カンドル、カンドル彩色、コサイクル不変量 ・曲面結び目の基礎:モーションピクチャー法と例、自明な曲面結び目、曲面結び目群、正則オイラー数 ・ch図式(マーカー付きグラフ図式)、結び目群の計算、カンドル彩色数の計算 ・曲面図式とローズマン変形、カンドル彩色、コサイクル不変量 ・ブレイド群:アルティンのブレイド群表示、ブレイド変形のチャート表示 ・2次元ブレイド:チャート表示とチャートの変形 ・2次元ブレイド:モノドロミーと分類定理、チャートとの関係 ・曲面結び目のブレイド表示、特異曲面結び目のブレイド表示 講義中に指示する

教科書

「曲面結び目理論」鎌田聖一著 丸善出版(2012年)

参考書、講義資料等

Seiichi Kamada, Braid and Knot Theory in Dimension Four, American Mathematical Society, 2002.
Scott Carter, Seiichi Kamada and Masahico Saito, Surfaces in 4-Space, Springer-Verlag, 2004.
Seiichi Kamada, Surface-Knots in 4-Space, Springer Monographs in Mathematics, Springer, 2017.

成績評価の基準及び方法

レポート課題(100%)による。

関連する科目

  • MTH.B341 : 位相幾何学

履修の条件(知識・技能・履修済科目等)

位相幾何学に関する基礎的な知識

このページのトップへ