本講義は、地球システム科学を学ぶことに関心のある大学院生を対象とする。本講義では、地球システム科学の基礎的な概念と目標、および地球システム科学で用いられる技術を学ぶ。また、ハビタブル惑星の一例である地球についてその歴史を探り、地球環境と生命の共進化を生物地球化学的物質循環のフレームワークの中でどのように理解されるかを考察する。履修にあたって特に前提条件はないが、地球化学や地質学の基礎的知識があると便利である。
本講義を履修することにより、以下の能力を身につけることができる。
・地球システム科学の基本的な考え方と目標を理解することができる
・地球環境と生命の歴史における主要な出来事の順序と相互関係を説明できる
・生物地球化学的物質循環の理論的研究において採用されている手法を理解できる
地球システム科学、物質循環、生物地球化学、地球史、古気候、古海洋
✔ 専門力 | 教養力 | コミュニケーション力 | 展開力(探究力又は設定力) | 展開力(実践力又は解決力) |
講義と輪読、およびディスカッションを行う。
授業計画 | 課題 | |
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第1回 | 地球システム科学とは何か | 地球システム科学の歴史と基本的考え方 |
第2回 | システム科学の基礎1 | フィードバックループとシステムの安定性 |
第3回 | システム科学の基礎2 | ボックスモデルの振る舞い |
第4回 | システム科学の基礎3 | 非線形フィードバックシステムの応答特性 |
第5回 | エネルギー収支と気候安定性 | デイジーワールドと気候安定性 |
第6回 | 物質循環1 | 酸素循環とその制御要因 |
第7回 | 物質循環2 | 炭素循環とその制御要因 |
第8回 | 物質循環3 | 栄養塩循環とその制御要因 |
第9回 | 地球システム進化1 | 地球史を通じた気候変遷史 |
第10回 | 地球システム進化2 | 地球史を通じた酸素進化 |
第11回 | 地球システム進化3 | 地球表層環境と生命の共進化 |
第12回 | 地球システム科学の理論モデル1 | 生物地球化学モデルで用いられる基本的アプローチ |
第13回 | 地球システム科学の理論モデル2 | メカニズム駆動モデルとデータ駆動モデル |
第14回 | ハビタブル惑星の進化 | 太陽系外ハビタブル惑星研究の現状と地球システム科学の課題 |
第15回 | 講評 | 講評 |
学修効果を上げるため,教科書や配布資料等の該当箇所を参照し,「毎授業」授業内容に関する 予習と復習(課題含む)をそれぞれ概ね100分を目安に行うこと。
とくになし
Lenton (2016): Earth System Science: A very short introduction, Oxford University Press; ISBN 978-0-19-871887-1.
Kump et al. (2014): The Earth System, Pearson Education Limited; ISBN 10: 1-292-02163-2.
課題(70%)、ディスカッション(30%)
とくになし
ozaki.k.ai[at]m.titech.ac.jp
03-5734-3721
月曜 10:00-12:00(もしくは個別にメール予約)@石川台2号館214