物理探査は、地表における地球物理的な観測から地球の内部構造を探る手法です。このうち、この講義では電磁場を用いる手法について、その基礎的な理論・技術背景を習得し、さらにその地球科学への応用に関して理解を深めることを目指します。
【到達目標】 本講義を履修することによって,地球の内部構造を観測から推定する物理探査手法、特に電磁誘導を用いる探査法について、基礎を習得します。電磁場の計測、解析、複雑な構造に対する順モデル計算の理論、逆モデル計算の理論を習得し、さらに、その地球物理への応用について理解することを目標とします。
【テーマ】 電磁探査を取り巻く研究要素であるところの”岩石の比抵抗” ”自然電磁場の変動源” ”ランダム信号の解析処理” ”複雑な比抵抗構造に関する電磁応答の順計算” ”逆問題”について基礎を身につけます。
物理探査、電磁探査、電気比抵抗、順問題、逆問題
✔ 専門力 | 教養力 | コミュニケーション力 | 展開力(探究力又は設定力) | 展開力(実践力又は解決力) |
毎回出席を取る。講義の後半では、学生による論文紹介を行います。
授業計画 | 課題 | |
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第1回 | 岩石の電気的性質および直流法電気探査 | 岩石の基本的な電気的性質について学ぶ。また、直流法電気探査の原理と測定方法について学ぶ |
第2回 | 逆問題の定式化:イントロダクション | 逆問題の記述、確率密度関数、誤差伝播について学ぶ |
第3回 | 自然の電磁場変動と電気伝導異常の発見・地磁気地電流応答関数の計算 | 地球内部電磁誘導研究の歴史と地磁気地電流応答関数の計算の方法を学ぶ |
第4回 | 逆問題の定式化:線形の問題 最小自乗解 | 逆問題の定式化における線形問題と最小自乗解について学ぶ |
第5回 | 1次元および2次元比抵抗構造の電磁誘導 | 1次元および2次元大地の電磁誘導の理論について学ぶ |
第6回 | 逆問題の定式化 一般化逆行列による解法と最尤法による解法 | 逆問題の定式化における一般化逆行列による解法と最尤法による解法について学ぶ |
第7回 | 3次元比抵抗構造の電磁誘導とガルバニックディストーション | 3次元大地の電磁誘導の理論およびガルバニックディストーションの要因と補正方法について学ぶ |
第8回 | 逆問題の定式化 非線形問題の解法 | 逆問題の定式化における非線形問題の解法について学ぶ |
第9回 | 人工制御信号を用いた電磁誘導 | 人工制御信号を用いた電磁誘導の理論について学ぶ |
第10回 | 学生による論文紹介(1) (地震/火山/電磁誘導/逆問題に関係する論文の紹介) | 学生が地震/火山/電磁誘導/逆問題に関係する論文を紹介する |
第11回 | 学生による論文紹介(2) (地震/火山/電磁誘導/逆問題に関係する論文の紹介) | 学生が地震/火山/電磁誘導/逆問題に関係する論文を紹介する |
第12回 | 学生による論文紹介(3) (地震/火山/電磁誘導/逆問題に関係する論文の紹介) | 学生が地震/火山/電磁誘導/逆問題に関係する論文を紹介する |
第13回 | 学生による論文紹介(4) (地震/火山/電磁誘導/逆問題に関係する論文の紹介) | 学生が地震/火山/電磁誘導/逆問題に関係する論文を紹介する |
第14回 | 学生による論文紹介(5) (地震/火山/電磁誘導/逆問題に関係する論文の紹介) | 学生が地震/火山/電磁誘導/逆問題に関係する論文を紹介する |
学修効果を上げるため,教科書や配布資料等の該当箇所を参照し,「毎授業」授業内容に関する予習と復習(課題含む)をそれぞれ概ね100分を目安に行うこと。
特になし。
講義資料は毎回配布する。
逆問題の参考書: W. Menke, "Geophysical Data Analysis: Discrete Inverse Theory, 3rd Edition"
試験は行わない。出席を考慮する。学生の行う論文紹介で評価する。議論への参加も考慮する。
なし