2016年度 太陽地球系物理学C   Solar-Terrestrial Physics C

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開講元
地球惑星科学コース
担当教員名
長井 嗣信 
授業形態
講義     
メディア利用科目
曜日・時限(講義室)
火3-4(石実1-103)  金3-4(石実1-103)  
クラス
-
科目コード
EPS.A416
単位数
2
開講年度
2016年度
開講クォーター
3Q
シラバス更新日
2016年4月27日
講義資料更新日
-
使用言語
日本語
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講義の概要とねらい

プラズマ物理学の物理的基礎を厳密に考えていく。そのために、電子スケール、イオンスケール、電磁流体スケール各段階が、どのような位置を持つかについて、詳細にみていく。磁気リコネクションを例にとり、磁気流体力学で考えることと、粒子的に取り扱うことの差異を検討する。無衝突衝撃波では、電磁流体の保存則を理解し、粒子加速のメカニズムとその問題点について理解する。

到達目標

初歩のプラズマ物理学の知識を前提として、無衝突プラズマの現象の理解に必要なプラズマ運動論的取り扱いについて学ぶ。そのうえで、電磁流体力学がどのような物理的基盤の上にあるかについて検討する。第一線の論文を読むうえで最低限必要な基礎的プラズマ現象について、その物理過程を理解する。取り上げるテーマとしては、プラズマ運動論的方程式の導出、流体的取り扱いの導出、運動論と流体的取り扱いの関係。 磁気リコネクションと無衝突衝撃波

キーワード

プラズマ運動論 磁気流体力学 磁気リコネクション 無衝突プラズマ

学生が身につける力(ディグリー・ポリシー)

専門力 教養力 コミュニケーション力 展開力(探究力又は設定力) 展開力(実践力又は解決力)

授業の進め方

基礎的な内容の物理的意味を考えながら、講義する。適宜、レポートを課し、理解に資する。

授業計画・課題

  授業計画 課題
第1回 プラズマの運動論的取り扱い、運動論的方程式の導出 運動論の必要性
第2回 プラズマのVlasov方程式の導出とその性質の検討 Vlasov 方程式と運動論方程式の違い
第3回 Landau Damping のメカニズム 運動論でなぜダンピングが起きるか
第4回 流体的取り扱いへの移行 何を平均しているか
第5回 流体的取り扱いの中での、理想MHD と 一般のMHD の差異 理想MHDの限界
第6回 粒子的取り扱いと流体的取り扱いの差異 流体近似の範囲
第7回 Hall 電場の役割、イオンスケールの現象の発現 イオンスケールの範囲
第8回 磁気リコネクションの宇宙物理での役割 磁気リコネクションとは
第9回 磁気リコネクションの流体的描像 磁気リコネクションの速さとは
第10回 磁気リコネクションの粒子的描像 磁気リコネクションはなぜ速いか
第11回 無衝突衝撃波の宇宙物理での役割 宇宙線の加速モデル 衝撃波のできる条件
第12回 無衝突衝撃波の流体的性質 1 保存則 ランキン・ユゴニオの関係式
第13回 無衝突衝撃波の流体的性質 2 磁場の構造と系の変換 磁場と流体の運動の関係
第14回 衝撃波における 粒子の加速 1 ドリフト加速 どこまで加速できるか
第15回 衝撃波における 粒子の加速 2 統計加速 統計的加速の問題点

教科書

D. A. Gurnett and A. Bhattacharjee Introduction to Plasma Physics Cambridge 
M. G. Kivelson and C. T. Russell "Introduction to Space Physcs" Cambridge

参考書、講義資料等

上記のテキストに準じた本を随時紹介

成績評価の基準及び方法

プラズマ物理学の基礎的な構造についての理解を見るための問題のレポートと、最新の論文から授業に関連したトピックスについて理解することを目的としたレポートをかす。

関連する科目

  • EPS.A414 : 太陽地球系物理学A

履修の条件(知識・技能・履修済科目等)

力学、電磁気学、流体力学、統計力学の履修を前提として講義を進める

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