地球惑星科学において,化学的アプローチによる研究は広く地球化学と呼ばれ、地球内部や表層に存在する元素・同位体・化学種の分布や移動などを時空間的に取り扱い、それらを支配する法則や原理を見出すことを目的としている。実験の前半は、天然岩石試料から構成鉱物を分離し、その比重および結晶構造を電子比重計とX線回折により同定する。また、塩水の密度測定を行う。後半は、前半で用いた天然岩石試料および、その構成鉱物の化学分析を行い、岩石・鉱物試料の主成分化学組成の同定を行う。
地惑実験(地球化学)の到達目標は,地球惑星科学分野で一般的に用いられる物理化学パラメター(岩石化学組成・鉱物密度など)が,天然試料から実際にどのように取得されるのかを体験し理解することである。また,化学実験の基本的手法や、天然岩石試料の処理法,実験で得られたデータの取り扱い方を学ぶことを主要テーマとする。
地球化学;岩石化学組成;鉱物密度;X線回折;結晶構造
✔ 専門力 | 教養力 | コミュニケーション力 | 展開力(探究力又は設定力) | ✔ 展開力(実践力又は解決力) |
講義中に指示する
授業計画 | 課題 | |
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第1回 | 岩石試料の粉砕、鉱物分離 | 講義中に指示する (造岩鉱物の種類・鉱物分離法・モード組成決定) |
第2回 | 比重計を用いた鉱物試料の比重測定 | 講義中に指示する (鉱物の密度測定の原理) |
第3回 | XRDを用いた鉱物試料のX線回折測定 | 講義中に指示する (X線回折の原理) |
第4回 | 塩水の密度測定 | 講義中に指示する (塩水溶液のモル体積の概念) |
第5回 | 岩石・鉱物試料の分解 | 講義中に指示する (岩石・鉱物の溶融法の原理) |
第6回 | 分解した岩石試料の蒸発・乾固 | 講義中に指示する (岩石・鉱物の酸分解法の原理) |
第7回 | 岩石・鉱物試料中のケイ素濃度の定量 | 講義中に指示する (岩石・鉱物の湿式化学分析の原理) |
第8回 | 岩石・鉱物試料中のケイ素を除く主成分元素濃度の定量 | 講義中に指示する (ICP-MSを用いた元素定量法の原理) |
学修効果を上げるため,教科書や配布資料等の該当箇所を参照し,「毎授業」授業内容に関する予習と復習(課題含む)をそれぞれ本学の学修規程で定められた時間を目安に行う。
実験手順や原理が記されたテキストを担当教員が準備し,第一回の授業前に配布する。
「大学実習 分析化学」 斉藤信房 編 (裳華房),「分析化学 基礎編」 クリスチャン 著 (丸善),「微量元素分析の実際」 原口ほか 共訳 (丸善),「実験を安全に行うために」 化学同人編集部 編 (化学同人),「プラズマイオン源質量分析」 河口 広司 ・中原 武利 編 (学会出版センター)
各実験終了後に毎回提出する実験ノートおよび最終実験後に提出するレポートを元に,実験内容の理解度を評価する。
該当なし