地球・惑星の現在と進化を物理学的側面から学習する。
【到達目標】 地球惑星で起きる様々な現象を、既習の物理学、数学を有機的に結合して基本的物理過程を理解することを目標とする。
【テーマ】地球、惑星に対する観測事実と特徴を知ること、物理法則、数学的表現に基づきモデル化すること、さらに数値データを使ってモデルの妥当性を定量的に検証すること、モデルを改良することを通して物理学、数学等の基礎知識を自然現象と体系的に結びつける。
地球、惑星、物理学的モデル
✔ 専門力 | 教養力 | コミュニケーション力 | 展開力(探究力又は設定力) | 展開力(実践力又は解決力) |
地球、惑星の観測データを提示し、特徴の把握、物理学・数学的表現に基づき簡単なモデル化を行う。さらに、数値データを使ってモデルの妥当性を定量的に検証する。
授業計画 | 課題 | |
---|---|---|
第1回 | 地球形成時の熱収支 | 地球形成時の温度を、主要なエネルギー発生過程から推定する。 |
第2回 | 地球・月システムの形成と進化:海洋潮汐 | 地球上の海洋潮汐は、共通重心周りの遠心力と月からの引力で決まることを理解する。 |
第3回 | 地球・月システムの形成と進化:潮汐ポテンシャル | 潮汐ポテンシャルの数学的表現を学習する。 |
第4回 | 地球・惑星の磁場 | 地球・惑星の磁場の観測結果とダイナモ理論の初歩を学習する。 |
第5回 | 岩石の物性 | 岩石の物性を要素モデルと複合モデルで学習する。 |
第6回 | 岩石の破壊と断層 | 岩石の破壊と断層生成を簡単な弾性論に基づいて学習する。 |
第7回 | 地震波の伝播:基本 | 地震波の種類と伝播の基本法則を学習する。 |
第8回 | 地震波の伝播:成層構造をした球 | 成層構造の球内部を伝播する地震波の特徴を学習する。 |
第9回 | 地球内部構造 | 地震波速度構造に基づく地球内部物質の推定を学習する。 |
第10回 | プレートテクトニクス概観 | プレートテクトニクス以前の考え、仮説時代、現状を学習する。 |
第11回 | プレート運動:相対運動、絶対運動 | プレートの相対運動、絶対運動の推定方法を学習する。 |
第12回 | プレート運動:大陸移動、造山運動 | プレート運動による大陸移動、造山運動のメカニズムを学習する。 |
第13回 | コア・マントル・プレートの相互作用:地球の熱輸送 | 地球の熱輸送をコア・マントル・プレートの相互作用の観点から学習する。 |
第14回 | 地球・惑星大気の構造 | 大気の基本的特徴について、地球、金星、火星で比較する。 |
第15回 | 地球・惑星大気の温室効果 | 簡単な大気熱収支モデルおよび分光学的吸収に基づき、地球・惑星大気の温室効果を学習する。 |
既習の物理学・数学の教科書を参照すること。
授業時に資料を配布する。
授業内容に沿ってレポート課題を数回課する。
1年次の物理学、数学を十分に理解していること。