2016年度 固体触媒化学特論   Catalytic Chemistry on Solid Surface

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開講元
化学コース
担当教員名
小松 隆之 
授業形態
講義     
メディア利用科目
曜日・時限(講義室)
-
クラス
-
科目コード
CHM.B533
単位数
2
開講年度
2016年度
開講クォーター
2Q
シラバス更新日
2016年1月11日
講義資料更新日
-
使用言語
日本語
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講義の概要とねらい

 まず、触媒とは何かを知るため、触媒の3つの機能(活性、選択性、安定性)について実例を挙げて説明する。次にゼオライトなどの多孔性物質について、構造・調製法・分析法などを述べ、ゼオライトの「分子ふるい作用」と「カチオン交換作用」について解説する。一方金属間化合物についてはまず、通常の合金との違いを述べ、形状記憶、超伝導、水素吸蔵などの特異なバルク特性について解説する。さらに金属間化合物のナノサイズ微粒子の調製法およびそれが様々な反応にに優れた活性・選択性をもつことを説明する。

到達目標

 触媒の基本的機能である活性・選択性・寿命について理解する。ゼオライトおよび金属間化合物の構造・調製法および物性を学び、ナノ粒子の表面に関する理解を深める。さらに、これらのナノ粒子が有する純金属とは異なる触媒作用を理解すること、および特定の化学反応のみを加速するために必要な表面の構造・物性についての知見を得ることを目標とする。
【テーマ】 本講義では,前半ではゼオライトを例として固体酸の発現機構、ブレンステッド酸点の構造、カチオン交換作用、酸触媒による有機分子の反応などを学び、後半では金属間化合物の構造、物性、ナノ粒子合成法および水素化脱水素反応、酸化還元反応などに対する触媒作用を純金属と比較しながら学ぶ。

キーワード

 触媒、ゼオライト、金属間化合物、合金

学生が身につける力(ディグリー・ポリシー)

専門力 教養力 コミュニケーション力 展開力(探究力又は設定力) 展開力(実践力又は解決力)

授業の進め方

 スライドによる説明。

授業計画・課題

  授業計画 課題
第1回 触媒とは何か、触媒の3つの働き 触媒を知る
第2回 ゼオライトとは何か、構造と分類 ゼオライトを知る
第3回 ゼオライトの吸着特性と分子ふるい作用 吸着を知る
第4回 ゼオライトの酸性質、固体酸 固体酸を知る
第5回 ゼオライトなどの固体酸を用いた酸触媒反応 酸触媒反応を知る
第6回 ゼオライトに組み込んだ金属カチオンの触媒作用 カチオン触媒を知る
第7回 金属間化合物とは何か、金属間化合物のバルクの性質 金属間化合物を知る
第8回 金属間化合物ナノ粒子の調製 ナノ粒子を知る
第9回 官能基選択的水素化 水素化を知る
第10回 Ni-Sn系金属間化合物のナノ粒子化とその触媒特性 Ni-Snを知る
第11回 アミンのNアルキル化 アルキル化を知る
第12回 金属間化合物上でのアセチレンの選択的部分水素化 アセチレン水素化
第13回 Pt3CoおよびPtCu上での水素中微量COの選択的酸化 PROX
第14回 CTH反応に対する金属間化合物の触媒特性 CTH
第15回 アミンの酸化脱水素に対する金属間化合物の触媒特性 酸化脱水素

教科書

特になし

参考書、講義資料等

小野・八嶋編『ゼオライトの科学と工学』講談社
スライドを印刷した資料を毎回配布

成績評価の基準及び方法

ゼオライトあるいは金属間化合物についての最近の論文を読み、レポートを作成する。論文の研究内容を正しく理解しているかおよび重要なポイントを簡潔に説明できているかを評価する。

関連する科目

  • CHM.B335 : 固体化学

履修の条件(知識・技能・履修済科目等)

2014年度に行った固体触媒化学特論の内容を引き継ぎ復習するとともに、最近の研究に焦点を当てた新しい内容も取り入れた講義を行うため、2014年度固体触媒化学特論を履修し単位を取得できなかった者のみを対象とする。

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