2023年度 光通信システム   Optical Communication Systems

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開講元
電気電子コース
担当教員名
植之原 裕行 
授業形態
講義    (対面型)
メディア利用科目
曜日・時限(講義室)
月1-2(G3-117(G311))  木1-2(G3-117(G311))  
クラス
-
科目コード
EEE.S461
単位数
2
開講年度
2023年度
開講クォーター
4Q
シラバス更新日
2023年3月20日
講義資料更新日
-
使用言語
英語
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講義の概要とねらい

 大容量光通信システムを構成するための構成要素,送受信器(強度変復調、コヒーレント変復調)の性能,伝送システム設計(ファイバ分散特性による伝送限界、信号対雑音比制限による伝送限界),光増幅器による長距離伝送,大容量化のための多重化方式,光スイッチング,光ルーティングなどについて解説する。
 また幹線系大容量システムのみならず,光インターコネクションや次世代ネットワークの展望についても事例を交えながら概観する。
 光通信技術に用いられる変復調技術は無線伝送技術との共通点が多く、幅広い応用に知識を生かすことができる。また光信号の伝送技術限界は装置内・チップ間伝送に領域が展開し始めており、その設計技術にも知識を応用することができる。

 光通信システムの主要技術は、デバイスにおいては半導体などの光学的な性質に基づく応用であり、光ファイバの特性については電磁波解析、光ファイバの伝送については媒体の周波数伝達関数への理解を利用することにつながる。電気電子工学で学ぶ基礎的な数学的手法・知識の応用を学び、光通信以外の応用にも汎用的に展開可能な意味で、有益である。

到達目標

 本講義を履修することで以下の能力を修得する。

(1) 光ファイバ通信の分類とその相違について説明できる。
(2) 光通信で重要な偏波の概念と、関連光デバイスの基本を説明できるようになる。
(3) 光通信システムで扱う符号や変調・復調・検波方式の数値解析ができるようになる。
(4) 光ファイバの伝送性能限界と歪の補償技術を解析的な側面から扱うことができるようになる。
(5) 光通信におけるビット誤り率を通した性能評価ができるようになる。
(6) 光増幅の効果を説明し、解析的な扱いができるようになる。
(7) 光スイッチングシステムと関連デバイスについて説明できるようになる。

キーワード

光通信システム、光変復調、伝送特性、光増幅、波長多重、光スイッチング

学生が身につける力(ディグリー・ポリシー)

専門力 教養力 コミュニケーション力 展開力(探究力又は設定力) 展開力(実践力又は解決力)

授業の進め方

毎回の講義の冒頭で、前回の演習問題の解説を行います。引き続いて、各回の内容について講義します。講義の後半で該当内容の演習問題に取り組んでもらいます。復習を怠らないようにしてください。

授業計画・課題

  授業計画 課題
第1回 光通信システム(基礎的なこと) T2SCHOLA掲載資料(第1回)の精読と理解
第2回 光通信システム(偏波、関連光デバイス) T2SCHOLA掲載資料(第2回)の精読と理解
第3回 光通信システム(長距離伝送系) T2SCHOLA掲載資料(第3回)の精読と理解
第4回 光通信システム(メトロ・コア系、アクセス系) T2SCHOLA掲載資料(第4回)の精読と理解
第5回 光通信システム(データセンタ、光インターコネクション) T2SCHOLA掲載資料(第5回)の精読と理解
第6回 光変調符号、強度変調 T2SCHOLA掲載資料(第6回)の精読・信号の数式・スペクトル表現(強度変調)
第7回 光変復調技術(位相変調、直交振幅変調等) T2SCHOLA掲載資料(第7回)の精読・信号の数式・スペクトル表現(位相変調・QAM)
第8回 デジタル・コヒーレント関連技術 T2SCHOLA掲載資料(第8回)の精読・機能ブロックの理解
第9回 ファイバの伝送特性(分散・分散伝送限界)・補償技術 T2SCHOLA掲載資料(第9回)の精読・分散と帯域の関係式
第10回 ビット誤り率(強度変調・多値変調、直接検波) T2SCHOLA掲載資料(第10回)の精読・ビット誤り率の計算
第11回 ビット誤り率(光増幅技術と伝送限界) T2SCHOLA掲載資料(第11回)の精読・光増幅技術と性能限界の理解
第12回 ビット誤り率(コヒーレント) T2SCHOLA掲載資料(第12回)の精読・ビット誤り率の相対比較
第13回 光スイッチングデバイス技術 T2SCHOLA掲載資料(第13回)の精読・光スイッチングデバイス技術の理解
第14回 光スイッチングシステム技術 T2SCHOLA掲載資料(第14回)の精読・光スイッチングシステムの理解

授業時間外学修(予習・復習等)

学修効果を上げるため,教科書や配布資料等の該当箇所を参照し,「毎授業」授業内容に関する予習と復習(課題含む)をそれぞれ概ね100分を目安に行うこと。

教科書

教員の作成した資料を基に講義を行う.資料は事前にT2SCHOLAに掲載する。入手については各教員の指示に従うこと。

参考書、講義資料等

『ファイバ通信入門(改定5版)』 末松 安晴・伊賀 健一 著 オーム社, ISBN 978-4-274-22094-4
『光通信工学』 北山研一 編著 オーム社, ISBN 978-4-274-21306-9
『光通信工学』(1)(2) 羽鳥 光俊・青山 友紀 監修 コロナ社, ISBN 4339011436
"Fiber Optic Communication Systems", Govind P. Agrawal, Wiley-Interscience, ASIN B096LCTZF6

成績評価の基準及び方法

光通信システムの構成や変復調、伝送、品質評価などについての理解度を評価。
配点は、レポート(80%)、演習(20%)。

関連する科目

  • EEE.S341 : 通信理論(電気電子)
  • EEE.S351 : 信号システム
  • EEE.S361 : 光エレクトロニクス
  • EEE.S411 : 導波回路論
  • EEE.D461 : オプトエレクトロニクス

履修の条件(知識・技能・履修済科目等)

フーリエ変換及びラプラス変換(EEE.M211)、電磁気学第一(EEE.E201)、光エレクトロニクス(EEE.S361)を履修していること、または同等の知識があること。

連絡先(メール、電話番号)    ※”[at]”を”@”(半角)に変換してください。

植之原裕行 uenohara.h.aa[at]m.titech.ac.jp

オフィスアワー

メールで事前予約すること

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