本講義では、先ずイオン液体の歴史と背景を述べ、イオン液体と分子液体を対比させながらイオン液体の特徴を概説する。次に、イオン液体の構造パラメータに着目し、バルク構造・表面構造ならびに特徴的な電子構造について理解を深める。続いてイオン液体の物性ならびに機能について、最新の事例を紹介しながら解説する。
【到達目標】 本講義を履修することにより、新世代液体として注目を集めるイオン液体の構造と物性ならびに機能について、物理化学的な視点から理解することを目的とする。
【テーマ】 イオン液体は定形を持たない液体相にありながら、微視的には大規模揺らぎを伴った高い構造形成性を有しており、この性質が通常の分子液体の構造・物性とは大きく異なる機能をもたらしている。新しい材料科学的展開をめざして、量子化学から熱力学、化学反応、電気化学、界面化学を包括した総合的理解を目指す。
イオン液体、溶液化学、界面化学、電気化学、物理化学
✔ 専門力 | 教養力 | コミュニケーション力 | 展開力(探究力又は設定力) | 展開力(実践力又は解決力) |
前もってテキストを配布しますので、各回の授業内容の部分をよく読み、課題を予習・復習で行ってください。
授業計画 | 課題 | |
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第1回 | イオン液体とは・歴史と背景 | 授業内容に即した課題を与える |
第2回 | イオン液体を特徴づける概念 | 授業内容に即した課題を与える |
第3回 | イオン液体の静的構造(構造・表面構造・電子構造) | 授業内容に即した課題を与える |
第4回 | イオン液体の物性(ダイナミックス) | 授業内容に即した課題を与える |
第5回 | イオン液体の物性(反応) | 授業内容に即した課題を与える |
第6回 | イオン液体の機能(ナノ構造) | 授業内容に即した課題を与える |
第7回 | イオン液体の機能(エネルギーデバイス、バイオ、環境) | 授業内容に即した課題を与える |
学修効果を上げるため,教科書や配布資料等の該当箇所を参照し,「毎授業」授業内容に関する予習と復習(課題含む)をそれぞれ概ね100分を目安に行うこと。
講義資料はOCW-iにて配布する
P. アトキンス著 「物理化学」(上、下) 東京化学同人
宿題などの提出物:30%、期末試験70%を目安に授業に対する取り組みも加味して総合的に判定する。
履修の条件を設けない