エネルギーには熱,化学,機械,電気,核エネルギーなど多様な種類があるが,我々の生活で必要とするエネルギー源は動力と電力である。しかしながら,これらの動力は自然界に一次エネルギーとして存在しないために,利用可能な一次エネルギー源から必要に応じて供給する必要がある。エネルギーデバイスには,発電機,熱機関,ヒートポンプ,原子力,燃料電池,太陽電池,発光デバイス,二次電池など様々な種類が存在する。これらのエネルギー変換デバイスは,効率が熱力学の制限を受けるばかりでなく,種々の技術科学的な制約の上で動作している。よって,これらのエネルギーデバイスの動作原理を学ぶことは,将来の持続可能社会の実現に向けて非常に重要である。エネルギーコースでは,エネルギーデバイス論第一およびエネルギーデバイス論第二を通じて,エネルギー変換機器の動作原理や長所,短所および先端技術動向を含めて総合的に学ぶ。
本講義では,エネルギー変換システムにおける要素技術のうち,機械的運動や熱を利用するエネルギーデバイスの動作原理と特徴を理解することを目的とする。具体的にはエネルギーデバイスとして,発電機,熱機関,ヒートポンプ,原子力を取り上げ,原理と効率限界などを総合的に講述する。これらのエネルギー変換機器の巧妙な動作原理に触れることにより,受講生の熱力学やその他の関連技術・学問領域への深い理解を促す。
講義終了後,受講者は下記の各項目を行うことが可能になる。
1. 発電機の基礎的事項について説明する
2. 熱機関の基礎的事項について説明する
3. ヒートポンプ技術の基礎的事項について説明する
4. 原子力の基礎的事項について説明する
5. 熱力学に基づいてエネルギー変換デバイスの動作原理と効率の限界を説明する
発電機,熱機関,ヒートポンプ,原子力
✔ 専門力 | 教養力 | コミュニケーション力 | 展開力(探究力又は設定力) | ✔ 展開力(実践力又は解決力) |
初回に講義全体のガイダンスを行った後,各デバイスについて2回もしくは1回の講義で説明を行います。
授業計画 | 課題 | |
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第1回 | 機械・熱エネルギー変換デバイスの全体像 | エネルギー変換と熱力学第二法則の関連性を説明できる。 |
第2回 | 発電機の基礎 | 発電機の基礎について説明できる。 |
第3回 | 発電機の応用 | 発電機の応用について説明できる。 |
第4回 | 熱機関(ガスタービンサイクル)の概要と基礎 | ブレイトンサイクルの動作原理とエネルギー変換技術における位置づけを説明できる。 |
第5回 | 熱機関(ランキンサイクル)の概要と基礎 | ランキンサイクルの動作原理やエネルギーのカスケード利用について説明できる。 |
第6回 | 原子力の基礎 | 原子力発電の原理や核燃料サイクルについて説明できる。 |
第7回 | ヒートポンプの基礎と応用 | ヒートポンプ技術の概略について説明できる。 |
第8回 | 全体の総括 | 各々のテーマについて重要なポイントを説明できる。 |
教科書は使用しません。必要に応じて資料を配布します。
必要に応じて参考文献を示します。
期末試験、講義中の簡単なクイズにより評価する。
特になし。