本講義では,エネルギープロセスやエネルギー操作について,その評価,高効率化について説明します。熱移動の基礎的項目をもとに,様々なプロセスの評価方法とそのプロセスにおける熱移動量の最適化について学習します。講義の終盤では,化学反応・相変化などの現象が起こる系でのエネルギープロセスについても取り上げます。
様々なエネルギープロセスやエネルギー操作に対して熱力学や伝熱機構等の理論的解析を行いながら,その評価法とそれらにおけるエネルギーの有効利用や高効率化の方策の修得をねらいとします。
化学工学が対象とするエネルギー操作の主眼は,エネルギーの有効利用と高効率化であり,熱力学や伝熱機構等の理論的解析をもとに,エネルギーの有効利用と高効率化のための方法論を理解することを到達目標とします。
エネルギープロセス, 評価と高効率化、エネルギー変換
✔ 専門力 | 教養力 | コミュニケーション力 | ✔ 展開力(探究力又は設定力) | ✔ 展開力(実践力又は解決力) |
講義の前半は内容の説明で,後半には,その日の講義内容に関する演習問題に取り組んでもらいます.各回の授業スケジュールを各自確認し,課題を予習・復習で行って下さい.
授業計画 | 課題 | |
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第1回 | 熱移動の基礎 | 熱移動の基礎を理解できる。 |
第2回 | エネルギー方程式 | エネルギー方程式を理解できる。 |
第3回 | エネルギー方程式と熱伝導 | エネルギー方程式を用いて、熱伝導を解析できる。 |
第4回 | 伝熱操作の最適化(熱伝導) | 熱伝導による熱移動の最適化を設計できる。 |
第5回 | 非定常熱伝導 | 非定常熱伝導を理解できる。 |
第6回 | エネルギー方程式と対流伝熱 | エネルギー方程式を用いて、対流伝熱を解析できる。 |
第7回 | 強制対流伝熱 | 境界層流れを含む強制対流伝熱を理解し、境界層流れにおける熱移動量を推算できる。 |
第8回 | 円管内流れにおける熱移動 | 円管内流れを理解し、円管内流れにおける熱移動量を推算できる。 |
第9回 | 伝熱操作の最適化(対流伝熱) | 対流伝熱による熱移動の最適化を設計できる。 |
第10回 | 放射伝熱の基礎 | 放射伝熱の基礎を理解できる。 |
第11回 | 灰色体間や高温ガスの放射伝熱 | 灰色体間や高温ガスの放射伝熱量を推算できる。 |
第12回 | エクセルギー | エクセルギーの考え方を理解できる。 |
第13回 | エネルギー変換プロセスとその評価 | エネルギー変換プロセスを評価できる。 |
第14回 | 化学反応プロセスにおけるエネルギー操作 | 化学反応プロセスにおけるエネルギー操作を理解し、その評価ができる。 |
第15回 | 化学工業におけるエネルギー操作 | 化学工業におけるエネルギー操作を理解し、その評価ができる。 |
特に指定しません。
吉川史郎著 『ベーシック移動現象論』 化学同人 ISBN-13: 978-4759815917,伝熱工学というタイトルのついた書籍全般。また、適宜、資料を配付する。
エネルギープロセスやエネルギー操作におけるエネルギーの有効利用と高効率化のための方法論の理解度を評価します。成績評価は課題レポート(50%)ならびに講義中に出題する課題・演習(50%)によって行います。
履修条件は特に設けないが,関連する科目を履修していることが望ましい.