[講義の概要] 本講義では、エネルギー分野における高分子の利用を知識として理解するだけでなく、物性と機能の視点から捉えから分子スケールから巨視的物性まで包括的に理解することを目的とします。具体的な講義項目は,エネルギー分野における高分子物性の位置づけ,高分子溶液・ゲル・液晶の物性と機能,高分子固体の熱的物性・力学物性・電気物性,光学物性などです。
[講義のねらい] エネルギー分野で,高分子材料の利用は必須です。そこには,無機材料や金属材料と比較した時,高分子材料が機能や性能に優位性が存在しています。現状の高分子の利用実態を表面的な知識として理解するのではなく,機能と性能の視点から理解することで,高分子の潜在的な応用探索や分子設計における指針を得ることが可能となります。
本講義を履修することによって次の能力を修得する。
(1) エネルギー分野における高分子の役割や機能を説明できる。
(2) エネルギー分野における高分子物性を説明できる。
(3) 目的とする機能を発現する高分子を設計する手法を説明できる。
高分子溶液,ゲル,液晶,熱的物性,力学物性、電気物性,電池,発光,機能高分子材料
✔ 専門力 | 教養力 | コミュニケーション力 | 展開力(探究力又は設定力) | ✔ 展開力(実践力又は解決力) |
毎回の講義の前半で,復習を兼ねて前回の演習問題の解答を解説する。講義の後半で,その日の教授内容に関する演習問題に取り組む。
授業計画 | 課題 | |
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第1回 | エネルギー分野における高分子物性研究の位置づけ | エネルギー分野で利用される高分子について高分子物性の観点から説明できる |
第2回 | 高分子溶液の機能 | 高分子溶液の機能について分子構造と物性の関わりを説明できる |
第3回 | ゲルの物性と機能 | ゲルの機能について分子構造と物性の関わりを説明できる |
第4回 | 液晶の物性と機能 | 液晶の機能について分子構造と液晶性の観点から説明できる |
第5回 | 高分子の固体物性:熱的物性・力学物性 | 高分子の熱的物性と力学物性の評価法および原理について説明できる |
第6回 | 高分子の固体物性:電気物性と電池への応用 | 高分子の電気物性について応用を見据えて構造と機能を説明できる |
第7回 | 高分子の固体物性:発光と光電変換 | 高分子の発光特性と光電変換について光化学および光物理的見地から説明できる |
第8回 | 先端機能高分子材料 | 現在利用されている先端機能高分子材料について説明できる |
特になし
参考書:高分子学会編「基礎高分子科学」東京化学同人 2006
理解度を演習(50%)およびテスト(50%)にて評価する。
特になし