本講義では、分子、ナノ物質、バルク物質を化学的、物理的相互作用をもって組み合わせ、システム化することによって発現する物性を効率的に利用する機能発現系について理解することを狙う。
具体的には、光をエネルギー生産や物質製造に用いる際に遭遇する特異的現象の解析や生産性の向上について、その原理ならびに応用展開を論じる。さらに,リチウムイオン電池の機能における高分子材料の特性を論じる。光触媒、色素増感太陽電池を中心に、その動作機構と触媒の形成する特殊反応場がもたらすエネルギー変換の効果的手法を解説する。あわせて,電池内での高分子材料による機能発現への影響を解説する。この科目は学生のエネルギー材料の理解と材料開発する能力を手助けする。
本講義を履修することによって次の能力を修得する。
1) 分子、ナノ物質、バルクなどを構成エレメントとし化学的手法によって構成されるシステムの発現する機能として、電子機能、光機能、磁気機能等、を理解説明できる。
2) これらのシステムを広範に見渡し、材料開発の課題と開発方策を策定できる。
光触媒、色素増感剤、太陽電池、リチウムイオン電池、二次電池、エネルギー変換材料、バインダー、分離膜
✔ 専門力 | 教養力 | コミュニケーション力 | ✔ 展開力(探究力又は設定力) | ✔ 展開力(実践力又は解決力) |
講義の後半で,その日の教授内容に関する演習問題に取り組んでもらいます。
各回の授業内容をよく読み,課題を予習・復習で行って下さい。
毎回の授業で出席を取ります。
授業計画 | 課題 | |
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第1回 | イントロダクション エネルギー問題と化学 | エネルギー問題を認識し,化学的手法による対処法について論じる能力 |
第2回 | 光触媒序論 | 半導体,錯体を用いた代表的な光触媒系について説明する |
第3回 | 化学的手法により構成される太陽電池(色素増感太陽電池、他) | 色素増感太陽電池,有機薄膜太陽電池の構造と動作機構について説明する |
第4回 | リチウムイオン電池の高分子バインダー材料 | リチウムイオン電池におけるバインダーに求められる特性と問題点を説明する |
第5回 | 分離膜,高分子電解液 | 二次電池の分離膜、高分子電解液の特性と開発を説明する |
第6回 | 高効率な物質変換に向けた触媒材料 | 触媒の活性を決定する因子について説明する |
第7回 | 高選択性を示す物質変換に向けた触媒材料 | 触媒の選択性を決定する因子について説明する |
第8回 | エネルギー変換に関る化学材料のまとめと試験 | エネルギー変換材料についてまとめ、試験する |
指定なし
それぞれの教員が授業内容に応じて、授業中で紹介する。
1) エネルギーナノ材料の実際の応用の理解度について評価
2) 配点は,期末試験(80%),演習(20%)
3) 到達目標の1)を各60点,2)を各40点で評価
4) 全出席および全実験履修が原則である。
5) 遅刻を繰り返した場合は不合格とすることがある。
履修条件は特に設けないが,関連する科目(エネルギー化学材料特論第一)を履修していることが望ましい。