水素エネルギーを例に、「エネルギー学理-技術・社会システム-社会的インパクト評価-ビジネス・政策」という理工学から社会経済までの考え方を習得する。水素エネルギーシステムを題材として、理工学からビジネス・政策までの関心を持ち、自ら考察する力を身につけることを目的とする。
本講義を履修することによって、水素エネルギーを題材として、関連する各分野の学理、技術と社会のシステム、評価手法、および、産学官の取り組みと政策を理解することができる。
水素エネルギー、要素技術、技術システム、社会システム、産学官連携
✔ 専門力 | 教養力 | コミュニケーション力 | ✔ 展開力(探究力又は設定力) | 展開力(実践力又は解決力) |
初回に講義の全体像を説明する。毎回、出席をとる。
授業計画 | 課題 | |
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第1回 | 山田 明(工学院 電気工学系) 本講義では,エネルギーの基礎から応用までを俯瞰できる題材を取り上げる。今年は,「水素社会」をキーワードに講義全体が設計されている。第1回目では,講義の目的,エネルギーの広がり,システムとしての繋がりを紹介する。 | 水素社会の概要について説明できる。 |
第2回 | 加藤 之貴(科学技術創成研究院 先導原子力研究所) 「水素エネルギーシステムと工学技術」 水素を用いたエネルギーシステムを俯瞰し、学理に基づいて水素エネルギーの技術のボトルネックと考えられる水素製造、水素輸送についての技術的な対応例を紹介する。 | 水素製造、水素輸送についての技術的対策を理解する。 |
第3回 | 梶川 裕矢(環境・社会理工学院 イノベーション科学系) 技術経営の観点から、エネルギー技術における研究開発マネジメントや技術評価、ビジネスエコシステムの構造分析及びイノベーションマネジメントの方法論を解説し、水素を例として議論を行うことで理解を深める。 | 水素を例に、技術経営における方法論の理解を深める。 |
第4回 | 岡崎 健(科学技術創成研究院 グローバル水素エネルギー研究ユニットリーダー 特命教授) 「水素エネルギー導入の本質的意義と水素社会に向けた展望」 エネルギーセキュリティーや温暖化防止の観点から、水素エネルギー導入の本質的意義について議論するとともに、水素社会に向けた技術革新とサプライチェーンのグローバル化の動向について述べる。また、産学官連携による東工大の取り組みを紹介する。 | 基礎的な機械工学的分野を基礎とした、グローバル水素エネルギーのビジョンを理解する。 |
第5回 | 高木 英行(国研 産業技術総合研究所 創エネルギー研究部門) 水素エネルギーに関する技術開発動向と産総研での取組」 水素を利用したエネルギーシステムの導入拡大に向けた技術開発動向について、政策サイドの取組を中心に概説する。また、産業技術総合研究所が取り組んでいる水素・エネルギーキャリアに関する研究開発事業について紹介する。 | 水素エネルギーに関する技術開発動向と産総研での取組を理解する。 |
第6回 | 坂田 興(一財 エネルギー総合工学研究所) 「低炭素社会構築に向けた水素エネルギーシステムの貢献可能性」 大規模に普及するエネルギーシステムは、エネルギー・環境面の重大課題を解決できるシステムであるとの仮定の下に、低炭素社会構築に向けたCO2フリー水素エネルギーシステムの貢献可能性につき、エネルギーモデル等を用いて技術・経済の両面から議論する。また、民間企業と行政府との連携など、中立的な立場のシンクタンクとしての機能と貢献についても紹介する。 | 低炭素社会構築に向けた水素エネルギーシステムの貢献可能性を理解する。 |
第7回 | 橋本 道雄(環境・社会理工学院 特任教授) エネルギー政策の基本的な考え方を実例を踏まえながら解説し、政策の全体像への理解を深める。その中において、水素や再生可能エネルギーといった新しいエネルギー技術の果たす役割、位置付け、普及のための課題について解説するとともに、研究開発や制度整備など、今後必要となる取組について紹介する。 | エネルギー政策における水素の役割と位置づけ、対応策を理解する。 |
特になし
水素の事典、朝倉書店(発行)、水素協会(編)ISBN978-4-254-14099-6 C3543
講義中配布資料
講義中の簡単なクイズもしくは、レポート課題にて評価する。
特になし