本講義は理工系教授でありながら、国家試験に合格して2008年に弁理士資格を取得したのを機に開講したものです。研究開発者には必携ともいえる特許化などのイノベーション実践能力の向上をめざして、研究者目線から知的財産制度全般の基礎について概説します。エネルギー関連の新材料開発研究を行っている理系教員としての立場から、将来の研究開発者を志向する理工系学生に「特許取得や論文・著作権などの知的財産関連の法律」の基礎講座を提供します。毎年のように改正される特許法や知財関連法(商標法、意匠法、著作権法、不正競争防止法など)のエッセンスを、日頃法律にあまりなじみのない学生にも分かり易い言葉で解説します。
本講義を履修することによって次の能力を修得します。
1) 理工系研究者・技術者、または工学系教育者として知っておくべき、産業財産権(特許権、商標権、意匠権、実用新案権)や著作権、不正競争防止法などの知的財産に関連する法律制度を容易に理解できる。
2) 産業の発展を目的とした特許などの法律上のシステムや制度の趣旨を理解でき、これらの知財システムを将来の産業および研究展開で理工系研究開発者として応用できる。
知的財産、法律制度、特許、著作権
✔ 専門力 | 教養力 | コミュニケーション力 | 展開力(探究力又は設定力) | ✔ 展開力(実践力又は解決力) |
毎回の講義で,(1) 前回の復習、および(2) 今回のテーマに関連する事項を説明します。
授業計画 | 課題 | |
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第1回 | 知的財産序論(法律基礎) | 法律初歩の理解 |
第2回 | ブランド(商標権)とデザイン(意匠権) | 知的財産権の本質の理解 |
第3回 | 著作物と著作権 | 著作権制度の趣旨の理解 |
第4回 | 特許序論(特許制度の概観) | 特許制度の趣旨の理解 |
第5回 | 特許出願 | 特許出願手続きや留意点の理解 |
第6回 | 特許審査・審判 | 特許審査過程の理解 |
第7回 | 特許権と特許侵害 | 特許権侵害の留意点の理解 |
第8回 | 特許周辺知財事項(実用新案権・国際特許・不正競争防止法・弁理士試験など)/期末試験 | グローバルな知的財産事項と弁理士制度の理解 |
特に指定なし
特に指定なし
上記到達目標を期末試験により評価する
履修の条件を設けない
yoshimoto.m.aa[at]m.titech.ac.jp