本講義では、遷移元素と典型元素の性質について系統的に理解する基礎を提供する。遷移元素の化学では金属錯体について取り扱い、その結合や電子状態を学ぶのに必要な基礎的な事項と考え方を解説する。
自然界に存在する物質は周期表にあらわれる元素の組み合せからできており、多様な構造や性質をもつ。周期表のすべての元素を研究対象とする無機化学は、それら物質の性質を系統的に理解し、さらに新しい物質を生み出すための基礎となる。
本講義を履修することによって次の能力を修得する.
1) 典型元素化合物の構造と性質を説明できる。
2) p-ブッロク元素およびd-ブロック元素化合物の構造と性質を説明できる。
3) 金属錯体の構造、結合、電子状態および反応を説明できる。
s-ブッロク元素、p-ブッロク元素、d-ブッロク元素、金属錯体
✔ 専門力 | 教養力 | コミュニケーション力 | 展開力(探究力又は設定力) | 展開力(実践力又は解決力) |
授業中に講義内容に関連した練習問題を行う。
授業計画 | 課題 | |
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第1回 | 金属錯体と配位結合 | 配位結合について説明できる |
第2回 | 金属錯体の構造 | 金属錯体の構造について説明できる |
第3回 | 分子の対称と群論(1) | 分子の対称性を説明できる |
第4回 | 分子の対称と群論(2) | 指標表を説明できる |
第5回 | 配位子場理論(1) | 八面体錯体について説明できる |
第6回 | 配位子場理論(2) | 平面四角形錯体および四面体錯体について説明できる |
第7回 | 金属錯体の電子スペクトル | 金属錯体の電子スペクトルについて説明できる |
第8回 | 金属錯体の合成 | 金属錯体の合成について説明できる |
第9回 | 多核錯体 | 多核錯体について説明できる |
第10回 | 金属錯体の反応 | 金属錯体の反応について説明できる |
第11回 | 典型元素化学(1)ー s-ブロック元素 | 金属と配位子の相互作用について説明できる |
第12回 | 典型元素化学(2)ー p-ブロック元素 | 結晶場理論、配位子場理論について説明できる |
第13回 | 典型元素化学(3)ー超原価化合物 | 超原子価化合物の構造、結合について説明できる |
第14回 | 典型元素化学(4)ー電子欠損型化合物 | 電子不足化合物の構造、結合について説明できる |
学修効果を上げるため,教科書や配布資料等の該当箇所を参照し,「毎授業」授業内容に関する予習と復習(課題含む)をそれぞれ概ね100分を目安に行うこと。
シュライバー「無機化学(上下)」東京化学同人
講義資料は講義中に配布する
講義で説明した無機化学の基礎に関する事項を理解しているか,期末試験(100%)で評価する.
履修の条件を設けない