無機化合物の合成実験を通じて,合成並びに精製の原理と技術を学習する。また,分離操作を加味した分析化学的方法の学習,無機化合物の触媒反応、およびX線回折法による固体の解析方法を学習する。
無機・分析化学に必須である実験手法、解析手法を学習する。特に、これまでより高度な合成、反応、分析技術を習得することを目的としている。特に下記の点に重点を置いている。
1.試料溶液中に含まれる化学物質について種々の分析機器を用いた定量を行うことで、専門的な分析法を学習する。
2.無機化合物の合成・反応実験を通して、合成、精製の技術を習得するとともに、構造と反応の一般的性質の原理を理解する。
3.X線回折法による結晶構造決定の手法について学習する。
高度な無機合成、反応、分析技術の実験について、その理論と実験手法を理解する。
無機化学、分析化学、触媒化学、結晶学、学生実験
✔ 専門力 | 教養力 | コミュニケーション力 | ✔ 展開力(探究力又は設定力) | ✔ 展開力(実践力又は解決力) |
グループ実験、個人実験により進める。実験後に結果に対するディスカッションを行う。結果の解釈についてプレゼンテーションを行うことがある。
授業計画 | 課題 | |
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第1回 | トリスエチレンジアミン コバルト(III)錯体の合成と光学分割 (1) | トリスエチレンジアミン コバルト(III)錯体の合成方法と光学分割方法の理解。旋光度測定方法の理解。 |
第2回 | トリスエチレンジアミン コバルト(III)錯体の合成と光学分割 (2) | トリスエチレンジアミン コバルト(III)錯体の合成方法と光学分割方法の理解。旋光度測定方法の理解。 |
第3回 | ポテンシオメトリー (1) | ハロゲン化物イオンの活量や濃度をポテンシオメトリーを用いて決定し、活量と Nernst式の関連について検討する。 |
第4回 | ポテンシオメトリー (2) | ハロゲン化物イオンの活量や濃度をポテンシオメトリーを用いて決定し、活量と Nernst式の関連について検討する。 |
第5回 | 金属イオンの溶媒抽出とマスキング (1) | 錯形成試薬とマスキング試薬および溶媒抽出を組み合わせ、 特定の金属イオンのみを定量する方法の原理を学ぶ。 実際には、鉄鋼中の銅定量中にニッケルをマスキングする方法を学ぶ。 |
第6回 | 金属イオンの溶媒抽出とマスキング (2) | 錯形成試薬とマスキング試薬および溶媒抽出を組み合わせ、 特定の金属イオンのみを定量する方法の原理を学ぶ。 実際には、鉄鋼中の銅定量中にニッケルをマスキングする方法を学ぶ。 |
第7回 | 中間プレゼンテーションとディスカッション | 実験に関するプレゼンテーションとディスカッションを行う |
第8回 | 粉末X線回折 (1) | イオン結晶の粉末X線回折の測定方法の理解。回折パターンから単位胞の格子定数を算出、化合物同定、未知結晶構造解析を行うする手法を理解する。 |
第9回 | 粉末X線回折 (2) | イオン結晶の粉末X線回折の測定方法の理解。回折パターンから単位胞の格子定数を算出、化合物同定、未知結晶構造解析を行うする手法を理解する。 |
第10回 | コバルト錯体の合成と酸素吸着 (1) | コバルト錯体の合成と酸素吸脱着反応、磁化率測定 |
第11回 | コバルト錯体の合成と酸素吸着 (2) | コバルト錯体の合成と酸素吸脱着反応、磁化率測定 |
第12回 | モリブデン錯体の合成と性質(1) | Mo(bpy)(CO)4 の合成および性質の測定 |
第13回 | モリブデン錯体の合成と性質(2) | Mo(bpy)(CO)4 の合成および性質の測定 |
第14回 | 期末プレゼンテーションとディスカッション | 実験に関するプレゼンテーションとディスカッションを行う |
学修効果を上げるため,教科書や配布資料等の該当箇所を参照し,「毎授業」授業内容に関する 予習と復習(課題含む)をそれぞれ概ね50分を目安に行うこと。
化学科無機・分析化学部門編 「無機・分析化学実験」
実験を安全に行うために(化学同人)
続 実験を安全に行うために(化学同人)
成績は、各実験のレポートおよびディスカッションにより評価する。
関連科目とリンクしていており、履修が望ましい