2019年度 結晶化学   Crystal Chemistry

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開講元
化学系
担当教員名
植草 秀裕 
授業形態
講義
曜日・時限(講義室)
月5-6(H115)  木5-6(H115)  
クラス
-
科目コード
CHM.B333
単位数
2
開講年度
2019年度
開講クォーター
2Q
シラバス更新日
2019年3月18日
講義資料更新日
-
使用言語
日本語
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講義の概要とねらい

回折法による分子構造、結晶構造の決定法の原理を説明する。次にX線回折強度測定方、結晶構造解析法の実際について、演習・実習を交えて理解を深める。

結晶構造解析は、物質の固相(結晶相)を扱い、回折法により正確な分子構造・結晶構造を決定する手法である。この手法によって得られた構造データは、分子構造や物質の同定に限らず、構造に基づいた分子の性質、集合体の性質の理解に必須であるため、原子・分子レベルでの理解が求めらる化学では分野を問わず必須の手法の一つである。そこで、結晶の三次元構造はどのようにして解析されるのかについて、その原理と方法を解説する。授業前半では、基礎を学習する。まず、結晶格子によるX線回析と電子密度・構造因子について理解し、次に結晶の対称性、特に並進を伴う対称操作を理解する。後半では、具体的に結晶構造解析の進め方を学習する。すなわち、空間群の決定、直接法・重原子法(パターソン関数法を含む)などによる初期モデルの決定、最小二乗法による構造精密化、結果の表現という流れを理解する。最後に解析の実例を通じて最新の解析法と結果の評価を学習する。

到達目標

X線回折による結晶構造解析の理論を理解できる。特に結晶構造因子の導出と応用、フーリエ変換による電子密度の表現を理解できる。結晶の対称性とその表現方法を理解できる。結晶構造解析に使用する技術を具体的に理解できる。

キーワード

結晶構造、分子構造、X線、構造解析、X線回折

学生が身につける力

国際的教養力 コミュニケーション力 専門力 課題設定力 実践力または解決力
- - -

授業の進め方

授業中に演習を含める。後半に実際の結晶構造解析の実際についての説明を交える。

授業計画・課題

  授業計画 課題
第1回 結晶化学とは何か-身の回りにある結晶化学を発見する- 結晶性物質を発見し、その性質が構造から説明できることを理解する
第2回 散乱理論-複数の散乱体によるX線の散乱 散乱波の表現方法の理解。足し合わせには位相差を考えることを理解する。
第3回 原子散乱因子と構造因子-電子密度によるX線の散乱 1原子によるX線の散乱強度、分子によるX線の散乱強度の表現を理解する。
第4回 逆格子の定義と回折条件-周期性と回折 単位胞が周期性を持つ結晶によるX線の回折強度表現と、回折条件を理解する。
第5回 電子密度の計算-フーリエ級数 結晶の電子密度がフーリエ合成により計算できることと位相問題の理解。
第6回 結晶の対称要素-回転と反転による対称性 対称要素を立体的に理解する。
第7回 晶系と点群-一点の周りの対称性と並進条件 対称性と並進条件から晶系を理解する。
第8回 結晶の空間群-並進対称を含めた結晶性 並進成分を持つ対称性を含めて空間群対称性が現れることを理解する。
第9回 空間群の判定-結晶構造因子の計算 結晶構造因子の計算から消滅則を導く。
第10回 構造解析の方法-結晶の作り方から構造決定まで 単結晶の作成方法、回折測定装置の理解、位相決定方法の理解
第11回 構造の記述と利用-CIFの利用と作図 結晶構造を記述する形式を理解する。様々な作図方法を理解する。
第12回 最近のトピックス 結晶構造が関係するトピックスを取り上げ、結晶構造解析の重要性を確認する。
第13回 結晶構造解析手順1-回折強度測定 測定装置を使って回折強度を測定する手順を理解する。
第14回 結晶構造解析手順2-初期構造決定 位相決定法を理解する。
第15回 結晶構造解析手順3-構造精密化と作図 構造精密化と作図を理解する。

教科書

「X線・中性子による構造解析」大橋裕二(東京化学同人)

参考書、講義資料等

大場茂著『X線結晶構造解析入門』化学同人、資料は必要に応じて配布する

成績評価の基準及び方法

結晶構造、構造解析法、結晶構造の考え方,計算法及びそれらの応用に関する理解度を評価する。期末試験(80%)、演習(20%)で成績を評価する。

関連する科目

  • CHM.B301 : 無機化学第二
  • CHM.B331 : 化学計測学
  • CHM.B335 : 固体化学
  • CHM.B305 : 無機・分析化学総合実験

履修の条件(知識・技能・履修済科目等)

なし

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