機器分析を中心とした化学計測の基本的な手法・概念について、その理論的、実験的側面を概説する。これにより、化学計測手法の原理を理解し、それぞれの方法の特徴と限界を知る。また、分析化学の重要なキーワードである「感度」と「選択性」を高めるためにどのような発想がなされてきたかを学ぶ。方法のバリエーションを知るだけでなく、そのバックグラウンドにある論理を理解するとともに、目的とする分析を設計するための考え方を習得する。
【授業の到達目標】本講義を履修することで、化学計測を構成する機器分析法や試料の前処理法の化学的な原理と基礎の修得を目標とする。さらに、それらを構成要素にして分析を設計し、組み立てるための考え方を知ることを目標とする。化学計測を構成している、物質分離、濃縮、分光計測、電気化学計測などの化学的な基礎を知り、多くの計測手法の原理を理解する。また、それらの感度や選択性の限界を知ることで、既存の問題点を理解し、それを解決するための考え方を身につける。
機器分析、試料前処理、分離、分光分析、電気化学分析
✔ 専門力 | 教養力 | コミュニケーション力 | ✔ 展開力(探究力又は設定力) | ✔ 展開力(実践力又は解決力) |
1) 毎回の講義の前半で,復習を兼ねて前回の宿題の解答を解説する。
2) 毎回の授業で宿題を出す。
3) 授業の前に、授業内容について参考書やインターネットを活用して、予習しておくことが必要である。
授業計画 | 課題 | |
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第1回 | 化学計測の目指すもの | 化学計測学の目的、全体の設計のための要素を説明 |
第2回 | 光を用いる化学計測概論 | 光を用いる化学計測の特徴の理解 |
第3回 | 原子吸光法 | 原子吸光法の原理と特徴の理解 |
第4回 | 紫外・可視吸収分光法 | 紫外・可視吸光分析法の原理と特徴の理解 |
第5回 | 蛍光分光法 | 蛍光分光法の原理と特徴の理解 |
第6回 | 振動分光法の基礎と赤外分光法 | 振動分光法の原理と特徴の理解 |
第7回 | ラマン分光法 | ラマン分光法の原理と特徴の理解 |
第8回 | X線回折法と内殻励起分光 | X線回折法と内殻励起分光の原理と特徴の理解 |
第9回 | 化学計測における分離の考え方 | 化学計測における分離の位置づけを説明 |
第10回 | 相を利用する分離 | 相を利用する分離の原理と特徴の理解 |
第11回 | クロマトグラフィー | クロマトグラフィーの原理と特徴の理解 |
第12回 | クロマトグラフィーにおける分離と検出の選択性 | クロマトグラフィーにおける分離と検出の選択性の関係を説明 |
第13回 | ポテンシオメトリー | ポテンシオメトリーの原理と特徴の理解 |
第14回 | pH測定 | pH測定の原理と特徴の理解 |
第15回 | ボルタンメトリー | ボルタンメトリーの原理と特徴の理解 |
なし
1) Harris, D.C. "Quantitative Chemical Analysis", W.H.Freeman and Company (NY) 978-1-4292-1815-3
2) Course materials are provided during class.
期末試験(80%)、宿題(20%)により成績を評価する。
履修条件は設けないが、関連科目を履修していることが望ましい