演習を通じてマクロな視点からの熱力学の諸法則、およびミクロな視点からの統計力学の基礎を学ぶ。具体的には、熱力学では熱力学第1・第2法則、エントロピーについて学び、統計力学では、Boltzmannの分布則、分子分配関数、微視的状態の数、巨視的な系の間の相互作用と平衡の達成、カノニカル分布、簡単な系の分子統計について学ぶ。
マクロな視点からの熱力学、およびミクロな視点からの統計力学を学び、確率や統計的考えを基礎とした熱力学の統計力学的解釈について理解することを目的とする。
本講義の演習を通じ、次の能力を修得する。
1) 熱力学と統計力学の物理量と概念が説明できる
2) 相変化などの物理変化や化学反応を巨視的(熱力学)、微視的(統計力学)に解釈できる
物理化学、熱力学、統計熱力学、化学平衡、分配関数
✔ 専門力 | 教養力 | コミュニケーション力 | 展開力(探究力又は設定力) | 展開力(実践力又は解決力) |
演習問題を解き,解説する。
授業計画 | 課題 | |
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第1回 | 熱力学第1法則 | 系の内部エネルギーを求めよ。 |
第2回 | 熱力学第2法則 | 物理、化学変化におけるエントロピーを求めよ。 |
第3回 | 自由エネルギーと化学平衡 | 自由エネルギーと化学ポテンシャルを説明せよ. |
第4回 | ボルツマン分布 | ボルツマンの式に基づきエントロピーを求めよ。 |
第5回 | 分子分配関数と平均エネルギー | 分子分配関数を用いて平均エネルギーを求めよ。 |
第6回 | 簡単な分子の統計力学 | 並進,回転,振動の分子分配関数を求めよ。 |
第7回 | 分子分配関数と化学平衡 | 分配関数を用いて平衡定数を求めよ。 |
第8回 | 量子統計熱力学 | 古典統計力学と量子統計力学の違いを説明せよ。 |
特になし
アトキンス 物理化学
熱力学・統計力学の諸法則、物理量および、物理変化と化学変化の解釈について、その理解度を評価
配点は試験(60%)と、講義で出題する課題へのレポート(40%)による。
化学統計熱力学(CHM.C202)を受講していることが望ましい。