2018年度 無機化学演習第一   Exercise in Inorganic Chemistry I

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開講元
化学系
担当教員名
前田 和彦  玉置 悠祐  関根 あき子  原田 誠  大津 博義  高山 大鑑 
授業形態
演習     
メディア利用科目
曜日・時限(講義室)
木5-6(H113)  
クラス
-
科目コード
CHM.B203
単位数
1
開講年度
2018年度
開講クォーター
2Q
シラバス更新日
2018年3月20日
講義資料更新日
-
使用言語
日本語
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講義の概要とねらい

無機化学とは、元素全部を対象とする極めて幅広い学問分野である。本演習では、無機化学第一の講義内容に関する理解を深めるため、無機化学第一の講義と連携して具体的な問題の演習を行う。これにより、原子や分子の電子構造に着目して、各元素とその化合物の性質と特徴(化学結合、物性、反応性など)の違いを論理的かつ包括的に理解することを目指す。
はじめに、元素の性質を決定付ける原子の中の電子の振る舞いについて解説し、イオン化エネルギー、電子親和力、電気陰性度などのパラメータを周期律表に基づいて整理する。結合論では、原子価結合法、VSEPR則に基づいた共有結合の記述法を解説する。さらに、共有結合の記述法として分子軌道法の基礎を二原子分子系を例にして理解する。無機固体のテーマでは、固体の結晶構造、バンド理論、熱力学を扱う。酸塩基では、基本的な定義の習得から始めて、酸強度の支配因子を電子配置と分子軌道の観点から解説する。

到達目標

本演習では、以下の(1)〜(3)を到達目標とする。
問題演習を通じて、
(1) 周期律表に基づき、元素やイオンの性質を理解し、説明できるようになること
(2) 化学種同士の反応性、化合物の安定性を説明できるようになること
(3) 様々な物質を構成する化学結合を説明できるようになること

キーワード

物質科学、結合論、物性論、固体化学、酸塩基

学生が身につける力(ディグリー・ポリシー)

専門力 教養力 コミュニケーション力 展開力(探究力又は設定力) 展開力(実践力又は解決力)

授業の進め方

履修者は各回毎に課される問題を事前に解いてから授業に臨む。これを毎回の授業開始時にレポートとして提出し、履修者は黒板を使って演習問題の解答と解説を行う。

授業計画・課題

  授業計画 課題
第1回 原子の中の電子の振る舞い 原子の構造、各量子数と軌道の関係を説明できるようになる。遮蔽と貫入の考え方に基づき、軌道とエネルギーの関係を説明し、第4周期程度までの元素の電子配置が書けるようになる。
第2回 元素の性質と周期律(イオン化エネルギー、電子親和力) 軌道とエネルギーの関係に基づき、周期律表におけるイオン化エネルギー、電子親和力の変化を説明できるようになる。
第3回 元素の性質と周期律(電気陰性度、原子(イオン)半径) 軌道とエネルギーの関係に基づき、周期律表における電気陰性度、原子(イオン)半径の変化を説明できるようになる。
第4回 共有結合と分子の構造 共有結合性分子のルイス構造をオクテット則に基づき描き、その酸化数を決定できるようになる。電子配置と電気陰性度に基づき、pブロック元素の結合特性を説明できるようになる。
第5回 原子価結合法とVSEPR則 原子価結合法とVSEPR則に基づき、共有結合性分子の構造を記述できるようになる。
第6回 分子軌道法の基礎 分子軌道法の考え方に基づき、二原子分子の分子軌道エネルギーダイヤグラムを描くことができ、結合次数と結合距離、結合エンタルピーを説明できるようになる。
第7回 無機固体とその結合 イオン性固体の結晶構造を決める因子を説明できるようになる。ボルン・ハーバーサイクルを用いて格子エンタルピーを算出できるようになる。イオン性固体の格子エンタルピーの傾向を説明できるようになる。
第8回 酸塩基 ブレンステッド酸強度の支配因子を説明し、定量的な計算ができるようになる。ルイス酸強度の支配因子と反応性を説明できるようになる。

教科書

担当教員が事前に配布する。

参考書、講義資料等

シュライバーアトキンス無機化学(上)第6版(東京化学同人)
はじめて学ぶ大学の無機化学(化学同人)

成績評価の基準及び方法

毎週課す演習レポートに基づいて評価する。

関連する科目

  • CHM.B201 : 無機化学第一
  • CHM.B301 : 無機化学第二
  • CHM.B202 : 基礎分析化学
  • CHM.B331 : 化学計測学
  • CHM.B335 : 固体化学

履修の条件(知識・技能・履修済科目等)

無機化学第一を同時に履修することが望ましい。

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